| ■野中郁次郎氏が残したもの |
| 2025年1月に亡くなった野中郁次郎氏は、既に歴史上の経営学者になったようです。 日経ビジネス2月に、“野中郁次郎氏最後のワーク『エーザイ内藤晴夫CEO「生き方」の経営』”が4回連載(①SECIモデルとの出会い、②患者の喜怒哀楽と「知創部」、③企業理念を定款に盛り込む、④出会いが理論と実践を繋ぐ)で掲載されました。 |
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| 書籍『知識創造企業エーザイ「生き方」の経営』のダイジェスト版を連載化したものです。野中理論を実践して結果に繋げた話で、ジックリ読んだので非常に含蓄のある面白いものでした。 |
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エーザイの内藤CEOは、最近よく話題にされる「パーパス経営」を、20年前から野中郁次郎氏とタッグを組んで研究開発した“同志的な存在”だったことを初めて知りました。そして企業理念「エーザイはhhc企業を目指します」を定款に盛り込んだ初めての企業とのこと。 内藤CEOが“今からの経営”に必要な考え方を試行錯誤していた時に、野中郁次郎氏の講演「組織的知識創造理論 SECIモデル」を聴き、パッと閃いて教えを乞うようになったそうです。『内藤さんは俺と議論をしていても、必ず異見する人なので、こっちも考えちゃうんだ。俺にとって共同研究者みたいだった。』と野中氏は語っていたとのこと。 |
| SECIモデルは、集合的な知の創造の原理を明らかにした動態モデルです。 『共同化(個人が五感を駆使して他者・モノ・環境に共感・共鳴し、暗黙知を獲得・共有・生成する) ➩表出化(他者との対話などを通じて、共同化で得た暗黙知の本質を敗年としての形式知に変換する) ➩連結化(形式知を総動員し、自在に組み合わせ、組織や社会・環境で共有できる集合知を創造する) ➩内面化(集合知を個人一人ひとりが実践することによって、試行錯誤を繰り返し社会的・組織的に新たな価値をもたらす)』を何回もスパイラルアップして進化させていく相互変換プロセスです。 |
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| 野中氏の思想や概念については、知れば知るほど凄さと共感が深まります。 |
| 『理論は得てして空理空論になりがちです。日本企業の経営やイノベーションの現場をドサ回りしてつくった理論でしたが、やはり実践してもらわねば意味がありません。その意味でエーザイが世界初の知識創造理論の実践企業となり、知創部(そのための専門部署)までつくってくれたことを心から感謝しています。』『私は経営は「生き方」であると主張してきました。エーザイは社会的価値の創造があって初めて利益があるという志が一貫しています。私は新しい経営のあり方、そして賢慮資本主義を無限に追求することを「二項動態」経営と言っています。』と野中氏は語っています。 このシリーズを最後まで読むことで、SECIモデルやヒューマナイジング・ストラテジーの経営哲学(人間的経営論:人間らしく=泥臭く)への理解を深めることができました。 現在は、何よりも従来の西洋的経営学(形式知主体)が行き詰まり、野中氏が提唱してきた東洋的経営学(暗黙知と形式知の相互作用)との融合、即ち“デジタルとアナログの融合”が始まっているように感じます。 AI革命が急進化・実用化する中で、矛盾の解決のために “デジタル(右脳)とアナログ(左脳)の融合”は幅広い分野で進んでいるように感じています。 人間社会はデジタル(白黒)ではなくアナログ(白黒灰色)だと思います。 未来社会は「人間が生きやすい社会」を目指してほしいものです。 |
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