■やなせたかし展 |
熊本市立現代美術館で開催中の「やなせたかし展」(4/26~6/30)に興味があったので、始まって間もない頃に寄ってみました。テーマは”人生はよろこばせごっこ”とのこと。ちょうどNHK朝ドラで「あんぱん」(彼の奥さんが主役)が4/2から始まっており、今週から第14週にはいり、ちょうど終戦を迎えたところです。 中国で敗戦を迎えた“やなせたかし”が、日本が敗戦した時に感じたことの記事を見て、私自身も感じることがありました。(トランプショックで戦争への危機感があります) 「正義はある日突然に逆転する。逆転しない正義は“献身と愛”である。」という言葉です。敗戦時に多くの若い子供・学生たちが「学校の先生や大人たちが、今までと180度違うことを堂々と話すことに違和感を感じ、頭の中が大混乱した。」と述懐している話を、たくさんの人々から聞いてきました。 アンパンマンの話は“献身と愛”の物語です。大げさなことではなく、死にそうな人がいれば1片のパン(アンパンマンの頭部)を与える。食べられ過ぎて力が出なくなれば、ジャムおじさんに焼いてもらい、頭部を交換する。というように・・・ |
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今回の展示会では「やなせたかし大解剖」「漫画」「詩」「絵本/やなせメルヘン」「アンパンマン」「人生」のテーマで原画200点を中心に作品を紐解いていくような順路になっていました。興味深くメッセージを確認しながら周りましたが、いつの間にか90分以上経っていました本人の純粋さと人間味を感じながら、不思議な時間と空間を楽しみました。 苛酷な戦争体験、家族との別れ、様々な人との出会いに揉まれ、 なんのために生まれて、なにをして生きるのか」を自分に問い続けた“やなせたかし”が辿り着いたのが、アンパンマンに象徴される世界感です。 展示会も終りに近くなりましたが、一度観に行くことをオススメします。 |
“やなせたかし”は多才だったようですが、「アンパンマン」で遅咲きのブレーク。 「あんぱんまん」は50歳の時に初めて描いたそうで、子供向けの「アンパンマン」は54歳で発表して評論家・保護者・教育関係者から多くのバッシングを受けたようです。しかし徐々に3歳~6歳の幼児層には絶大な人気を得るようになっていったそうです。 |
そして69歳の時に「それいけ!アンパンマン」のテレビ放映がはじまり、半年(24話)終了予定だったのが、予想以上の高視聴率と人気を獲得し、今でも放映される長寿番組(現在1600話超)になりました。当初は「いい人」だけのキャラクターでしたが、本人がその世界に違和感を感じ始め「ばいきんまん」など悪も含めて続々と増えたようです。(2009年ギネス世界認定のキャラクター数は1768種類) | ![]() |
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会場には、絵本のコーナーがあったので、「チリンの鈴」と「やさしいライオン」の2冊を読んでみました。「チリンの鈴」では羊の子チリンと狼ウォーとの愛憎、「やさしいライオン」では子ライオンのブルブルと雌犬のムクムクとの親子愛をメルヘンチックに語った絵本で、心の機微を子どもたちが感じる素晴らしい絵本でした。 たまたま先週の朝ドラ「あんぱん」の中で、中国戦線で敗残日本兵岩男(ウォー)が彼を慕う中国孤児リンから拳銃で殺される場面があり、「チリンの鈴」の物語に類似しています。 朝ドラの登場人物には、アンパンマンのキャラクターに似せた人物が多く出ているようです。主役の浅田のぶは”ドキンちゃん”、パン職人の屋村草吉は”ジャムおじさん”など多数いるようです。視聴率も徐々に上がってきており16%台になっています。 |
私が好きな“やなせたかし”が残した言葉のビッグ3です。 |
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