■日めくりカレンダー“にんげんだもの”
我が家では35年くらい前から、リビングの“日めくりカレンダー”に、相田みつをの「にんげんだもの」を使っています。大切に取り扱っていますが、日めくりするので徐々に傷んでしまい、今まで3回以上は新たに買い直して交換をしてきました。昔は朝起きて、私が日めくりし黙読する習慣にしていましたが、この5年くらいは孫娘が日めくりし音読する習慣が定着しました。
毎月繰り返しているので、孫娘は全部を暗記してしまっています。孫娘が一番好きな言葉は「トマトがトマトであるかぎりそれはほんものトマトをメロンに見せようとするからにせものとなる」だそうです。
今はただ読んでいるだけですが、大人になってから実感する時が来ると思います。(昔は寺小屋で子供に論語を学ばせたような感じかな?)
つい先日、孫娘が日めくりする時に1枚破けてしまい、買い直すことにしました。街中に出た時に蔦屋3年坂店に買いに行きましたが、「今の時期にカレンダーは置いてありません。お取り寄せしますか?」「お願いします」「すみませんが、絶版になっているようです」とのことで非常に驚きました。他の書店で在庫しているかもしれないと思い、慌てて上通のカッパの本屋(金龍堂)や長崎書店に行って確認してみましたが「置いていません」と同じ返事にガックリ!
帰ってから調べてみたら、相田みつを美術館が閉館しており驚きました。ただしオンラインショップは継続すると書いてあり、早速、会員に登録して購入手続きをすることができてホッとしました。「にんげんだもの 1」と「にんげんだもの 2」があったので、念のために両方を購入手続きしました。
両方の違いが何なのかにも少し興味がありました。そして宅配便で届いたので早速、両方のカレンダーを見比べたところ、私が今まで使っていたのは「にんげんだもの 1」だとわかりました。「にんげんだもの 2」にも“つまづいたっていいじゃないか 人間だもの”が入っていると想像していましたが、全くダブりのない別の言葉が並んでいました。 私は長年慣れ親しんできた言葉の方に魅力を感じるので、今から購入するのは「にんげんだもの 1」にします。
日めくりカレンダーの言葉の中で、私にとって強く響く言葉ベスト10
① つまづいたっていいじゃないか 人間だもの
② いまから ここから
③ しあわせはいつも自分のこころがきめる
④ ともかく具体的に動いてみるんだね 具体的に動けば具体的な答えがでるから
⑤ その場がきなけりゃ わかんねえ
⑥ 張りすぎてもだめ たるんでもだめ ちょうどいいあんばいが一番いい
⑦ うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる うばい合えば憎しみ わけ合えば安らぎ
⑧ やれなかった やらなかった どっちかな
⑨ 自分が自分にならないで だれが自分になる
⑩ 金が人生のすべてではないが あれば便利なければ不便 便利なほうがいいなあ
相田みつをの著書「にんげんだもの」(初版1984年)は、私にとって非常に大切な書籍になります。発刊されて間もない全国的に売れ始める前に、縁があってこの本と出会うことができました。会社や部下に対して「何としても頑張らねばならない」と両肩に背負って重荷に耐えきれなくなりかけていた時に、この本の題名にもなっている『つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの』という言葉に出会ったことで、私は救われました。すると肩の力がスーッと抜けて、私自身が生まれて初めて“自己意識改革の瞬間”を経験しました。それ以来彼のファンとなり、新作を次から次に買ったりしました。最終的には書籍「にんげんだもの」が、私のセルフコントロールや仕事ツールとして長年活用してきました。
「にんげんだもの」は今でも時々読むようにしており、私にとって「ある時は励ましの書、ある時は戒めの書」になります。18年前に若手初心経営者塾・共育塾を始めましたが、共育塾1期生の時から、修了式で塾生全員に「にんげんだもの」をプレゼントして各塾生に“心のあり方へのガイドブック”的に使ってほしいと伝えてきました。