■松下幸之助著 道をひらく
2ヶ月前のテレビ番組で、「400~500文字くらいの音読を毎日継続すると、認知症の予防にいい」との話がありました。コパイロットで調べたところ「認知症の予防や改善に音読は効果的です。実際に、介護の現場で音読の学習療法が行われており、高齢者に実践されています。」との回答。音読することで「言語と音声の結びつきを強化」「脳の血流が増え前頭前野(記憶や学習、思考を司る)が活性化」するとのこと。非常に説得力のある内容でした。最近、記憶力の衰えを意識するようになったこともあり、早速始めることにしました。
音読本として候補をいくつか考えてみましたが、最終的に松下幸之助の「道をひらく」を選び、4月6日からデスクに座って毎日1項目づつの音読を始めました。
「道をひらく」は、私が新入社員だった頃(55年前)に、会社から社員に配本されたことを覚えていますが、社会人になったばかりで全くピンときておらず、いつの間にか紛失していました。
10年ほど前に本屋に立ち寄った時、「500万部突破の永遠のベストセラー」とのPRと、新入社員時に会社からもらったことを思い出したので、「いつか読んでみよう」と買ったものの「積んどく」状態にしていました。
今回、改めて音読を始めて思ったことが、今の私には「心に響く言葉」「心に沁みる言葉」「心が和む言葉」が満載で、毎日楽しみながら音読を継続しています。松下幸之助氏の人となりがよくわかり、毎日人の心を豊かにする言葉に出会いながら、楽しんでいます。この歳になったから心に響くのかもしれません。
最後まで読み終えたら、また頭から繰り返し読み始めたいと思います。
読み始めから感動したので、とりあえず「運命を切りひらくために」の初項“道”を転記しておきます。
                      “道”
自分には自分に与えられた道がある。天与の尊い道がある。どんな道かは知らないが他の人には歩めない。自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがいのないこの道。広い時もある。狭い時もある。登りもあれば降りもある。淡々とした時もあれば、かき分けかき分け汗する時もある。
この道が果たしてよいのか悪いのか、思案に余る時もあろう。慰めを求めたくなる時もあろう。しかし所詮はこの道しかないのではないか。
諦めろというのではない。今立っているこの道、今歩んでいるこの道、ともかくこの道を休まずに歩むことである。自分だけしか歩めない大事な道ではないか。自分だけに与えられているかけがいのないこの道ではないか。
他人の道に心を奪われ、思案にくれて立ちすくんでいても、道は少しも拓けない。道を拓くためには、先ず歩まなければならぬ。心を定め、懸命に歩まねばならぬ。
それがたとえ遠い道のように思えても、休まず歩む姿からは必ず新たな道が拓けてくる。深い喜びも生まれてくる。