■決定的な思考の違い
最近は日本から世界的トップアスリートが増えてきており、現実に大活躍をしている。彼らは世界的知名度も桁違いの感じがする。
具体的にいうと羽生結弦や大谷翔平、大阪なおみなどである。
私たちの年代では、凄いと思っているイチロー(野球殿堂入りすること間違いなし)も世界的トップアスリートではあるが、我々がまだ理解し想像できる思考の範疇にあるように感じる。
しかし今の若い年代(10~20歳代)、いわゆるZ世代の人たちは、ちょっと違う感覚・感性を持っており、我々の理解を越えているように思う。
たまたまウェブで『「昔の金持ち」と「今の金持ち」、決定的な思考の違い』(午堂登紀雄氏の投稿コラム)を見つけたが、この中の「決定的な思考の違い」にそのことが記載されているようで少し理解できる気がした。私の思いの中では「金持ち」という評価基準はシックリこないので、「今昔成功者の決定的な思考の違い」という表現になるが、ここに午堂氏コラムを引用編集して纏めてみた。
「努力は尊い」と思っている人は少なくないと思う。昔の成功者は「努力」という 言葉が大好きである。だから若者に対しても、「死に物狂いで努力しろ」「がむしゃらにやれ」「今はしんどくても耐えろ」などと叱咤激励してきた。
今までの自己啓発書籍では、その思考に基づき書いてあるものが多い。そうやって成り上がってきた成功体験を持っているから当然でもあり、現在もある程度当てはまるので否定されるものではない。
前述の大谷翔平など、はたから見るとやっていることは努力そのものなのだが、本人たちに「努力している」とか「がんばっている」という感覚がない、という方が正確であろう。なぜかというと、彼らは自分がやりたいこと、自分がワクワクすること、使命感を感じることを仕事にしていて、その仕事に没頭しているからである。イチローの場合は求道者のような基本姿勢を感じるが、大谷はワクワクしながら楽しんでいるという感じすらある。
夢中になって取り組んでいることに関しては、仮に長時間労働になっても苦にならない。「モチベーションが上がらない」といった悩みもないし、「がんばろう」とか「努力しよう」などと自分からは言わないし、考えてもいない。
一方で、彼らは「ガマンする」とか「やりたくないこと」は徹底的に避ける。やりたいことだけをやり、「やりたくないこと」は他人に任せたり、外注に出したりする。自分がやるのは「やりたいこと」だけ。だからこそ常に仕事に没頭でき、仕事にワクワクし続けていられるのである。 
そもそも、高いパフォーマンスを発揮するために、必要な要素とは何かというと、それはやはり、「やりたい」「自分がやるんだ」という強い衝動であり、それが強烈な集中力を生んでいる。
そういう状態にある時、「自分はがんばっている」とか「努力している」などとは感じない。いわゆるスポーツ選手でいうところの「ゾーンに入る」という状態である。そして、その集中力が切れた後にやってくるのが「充足感」である。
この感性・思考は、新日本人である「Z世代」特有のものかもしれない。
活用技術の進化を含めて、大きな時代の変化を感じざるを得ない。