●太陽系の始まりと終わり②

●太陽系の終わり
太陽の直径は地球の100倍、体積は100万倍。太陽の表面温度は6000℃、中心部の温度は1600万℃。
エネルギー源は核融合で、そのエネルギーは毎秒何億個もの水爆の爆発に匹敵。はるかに遠い地球に降り注いでいる太陽エネルギーは全体の何兆分の1にすぎないが、人類が消費している全エネルギーの2万倍に匹敵。そのエネルギーは「雷一発のエネルギーは2000所帯の1日の電力が賄うことができる」というが、雷は日本だけでも100万回と言われているから地球全体では1億回くらい。それを発生させているのも太陽エネルギーだし、偏西風を起こし、海流を起こし、台風やハリケーンを起こしているのも太陽エネルギーなのだ。
余りにも大きすぎて理解が追い付かない。
今は水素核融合だが、水素が燃え尽きるとヘリウムの核融合に移り、温度がさらに上昇する。ヘリウムが燃え尽きると次の核融合に移り、温度がさらに上昇する。温度が上昇すると太陽は膨張し、水星、金星、地球、火星を順番に飲み込んでいく。その巨大な太陽を「赤色巨星」と呼ぶ。
核融合でだんだんと重い元素ができ、最終的に鉄が生成された段階で止まり、温度は急速に下がり急速に縮んでしまって小さくなった太陽を「白色矮星」と呼ぶ。更に温度が下がり、やがて見えなくなってしまう。
それが太陽系の終わり。残った惑星(木星より遠い惑星)は更に冷たくなって暗い太陽の周りを回り続けるだろう。
★超新星爆発
もし太陽が10倍以上重かったなら、「超新星爆発」を起こして太陽系を吹き飛ばすだけではなく、近隣の星(50光年程度)にもダメージを与える。
既に赤色巨星になっているベテルギウスとアンタレスは超新星爆発を起こしても、十分に遠いから(600光年以上)地球は致命的ダメージ(生物絶滅)は起きないが、電波障害、通信障害で世界は大混乱に陥るだろう。
最も近い星シリウス(8光年)、ベガ(25光年)は、あまり大きくない(太陽の2、3倍)から超新星爆発は起こさず、太陽のように赤色巨星となり白色矮星となる。しかし地球にも、三葉虫の絶滅など、近隣の超新星爆発の影響を受けた痕跡がある。
★小惑星の衝突
より現実的な危険は「小惑星の衝突」だ。
地球と火星の間には小惑星がたくさんあり(イトカワ、リュウグウなど)、火星と木星の間には大規模な小惑星帯がある。
その中には地球と衝突すると危険な小惑星が数千個ある。
2013年、チェリャビンスク隕石の大きさは10mで数千の建物が被害を受け、数千人の負傷者が出た。
1908年、ツングースカ隕石の大きさは100mで、広大な森林が壊滅した。都市部なら大都市が壊滅しただろう。
6500万年前、ユカタン半島の巨大隕石(大きさ10km)は恐竜など地上の生物の殆どを絶滅させた。
大きさ1kmの大隕石なら大きな国が壊滅するだろう。
しかし宇宙的破局よりも、人間の愚かさゆえの破局、国家間の争いによる破局(自滅)のほうがはるかに可能性は大きいと思う。
それを防ぐには多くの人が事実を知ること、知らせること。
私はそのためにこういう活動を続けている。
高木善之プロフィール
1947年大阪生まれ。1970年大阪大学・基礎工学部卒業。パナソニック在職中は中央研究所勤務、本社では全社技術行政担当。パナソニック合唱団の創立、常任指揮者として音楽分野でも活躍。1991 年、環境と平和のNPO『地球村』を設立。リオサミット、欧州環境会議、ヨハネスブルグサミットなどに参加