●突然の長期入院を経験して③ |
私が行ったリハビリのステップを紹介しておくと、大きく分けて「寝たきりでのリハビリ」⇒「歩行訓練リハビリ」⇒「自立化訓練リハビリ」⇒「自宅生活リハビリ」になると思う。 |
① 寝たきりでのリハビリ(2週間) :寝たきりでいると、筋力や平衡感覚が衰えないようにリハビリをする。特に歩行訓練にスムースに入れるように「特殊靴下を履きっぱなしにして血栓を防止(⇒3週間後にようやく外した)」「足の各部位筋肉ほぐしや筋力強化(⇒入院期間中OT・PTによるリハビリ継続)」「ベッドの角度を徐々に上げていき平衡感覚を取り戻す(⇒2週間で60度まで徐々に上げて、ようやくベッドで座っての食事に変更)」などを行った。ベッドに座って食事をできるようになった時が、何よりも嬉しい瞬間だった。 |
②歩行訓練リハビリ(2週間) :「ベッドから足を降ろし歩行器を使って立上り足踏みのみ(最初はフラフラ感が強かったことを覚えている」⇒「歩行器に全面依存(両肘で保持)し歩行訓練を開始(室内歩行から始まり、フロアに出て歩行距離を徐々に伸ばす)」⇒「歩行器への依存を減らす(両肘依存状態から始めて、両手依存状態になり、片手依存でも歩けるようになる)」⇒「歩行器と杖を併用して歩行(車椅子については、トイレや入浴に行く時、検査に行く時しか使わなかった)」⇒「ナースコールで補助員を呼んで杖なし歩行」。当初は平衡感覚の衰えを実感しており、心理的にも不安感も強くあるが、徐々に自信もでて慣れていくことで、以前の普通歩行の感覚まで変化していくことは楽しい経験だった。ナースコールせずに、トイレにも一人で行けるようになった時が、何よりも嬉しかったことを覚えている。 |
③自立化訓練リハビリ(2週間) :ナースコールが不要になり自立歩行訓練に移行するが、今まで使っていなかった筋肉を鍛えるようにする。筋肉の劣化を強烈に実感した瞬間は驚かされた。「椅子を使って立上り・座りの繰り返し訓練(初日に太腿の筋肉痛がひどくなり、落ち着くまで3日くらいかかったのが印象的)」⇒「段差昇降訓練と実際の階段昇降(入院前に1万歩/日歩いていたので、苦労なく簡単にできた)」⇒「院内散策(院内なので寝間着で散策OK)」⇒「院外散策(外に出るので、着替えて院外散策:寝間着NG)」と推移して、退院の日(9月3日)を迎えることができた。最後まで残った課題は、「ベッド離床時のズンとくる痛み」と「自立入浴への不安」の二つがあったが、最後の1週間で完全に解決できた。具体的にいうと、ズンと来る痛みが骨折部の痛みではないことがハッキリした。(寝起き時のノウハウを伝授してもらった)また最後3回の介助入浴を疑似自立入浴(介助員は付いているだけ)で自立入浴のノウハウも理解できた。 |
④自宅生活リハビリ(6週間予定) :現在は自宅生活リハビリの最終段階に来ているところである。最初はベッド中心の生活から始め、現在は徐々に脱ベット生活に移行できつつある。 最初に強く感じたこと「病院食に馴染んでいたので、食事の味付けが濃い」「足の裏が地球の重力を強く感じていたい」の2点である。 最初の頃は疲れが強かったが、たった1週間でベッドからの寝起きや着替え、入浴などもコツを覚えて上手になった。朝の家族一緒のラジオ体操を継続してやっているが、退院直後は手だけ動かす状況だったのが、今では控えめながら「飛んだり、身体を捻ったり、前屈みをしたり」できるようになった。少しづつ可動範囲を広げても、痛くないようになってきた。少しづつだが、コルセットを付けない時間も長くしている。10月末迄には「脱コルセット=普通の状態」に戻ることができると考えている。 |
今年の夏は、特別に印象深い夏だったが、入院中にメモに書き留めて置いた「出来事」を紹介しておく。 *東京オリンピックの数々の面白い競技をリアルタイムで見れたこと *大谷翔平が二刀流での人間離れした大活躍 *コロナ禍/デルタ株の全世界&全国蔓延の長期化 *真夏の全国的集中豪雨禍(全世界的な異常気象の頻発) *緊急事態宣言地域が急増する中でのパラリンピック開催 *長期間の避暑地(病院)での生活⇨汗もかかない夏 *人生初の本格的な骨折体験(寝たきり⇨歩行訓練⇨生活復帰訓練) |
第3腰椎破裂骨折という一つ間違えば、下半身不随になる可能性もあった初めての骨折経験だったが、幸運にも「骨折箇所が3番目(腰椎5つの中間)」「破裂骨折の程度が軽目」だったので、6週間くらいで退院できることができた。 |