●突然の長期入院を経験して②
入院して以来、家内とのショートメールのやり取りを、毎日小まめにやるように心掛けた。おかげでその時々の体調回復変化メモをリスト化し、それに加えて当時の事を思い出しながら、肉付けをして整理が出来た。
無精な私だが、まさに「継続は力なり!」を実感している。
入院してから数日間は、痛み止めの薬を毎食後に飲んでいたこともあり、一睡もできない日は初日だけだった。
最初にリハ担当から指導を受けたのは、寝たまま食事をできるように「自分で横向きになること」だった。「横向きになる時に、骨折した腰部を捻らないよう、腰と肩を同時に動かすこと。(腰を捻ると痛いだけでなく治りが悪くなる)」と徹底的に教わったが、これをマスターすることで痛みが小さくて済むことを学び、「なるほど!」と感心したのを憶えている。 
苦痛だったことはいろいろあるが、その中で何よりも嫌だったことは「オムツ生活」が始まったことである。大便が出てナースコールを押したつもりでも、「出かかり」だったことが何度もあり、最後まで慣れることができなかった。
ナースコールで看護師を呼んで、トイレで用足しができるようになってから、「オムツ」から「リハビリ・パンツ」に移行できたが、そこに至るまで2週間くらいかかった。もう2度と「おむつ生活」はしたくない。
次いで寝たまま横向きの食事も、ある意味では苦痛にすら感じていた。
食べることだけで精一杯、食べ終わった時には汗をかきグッタリする感じで、食事を味わう余裕など全くなく、おまけにそのあとすぐに薬を飲むように促され、「もうちょっとゆっくりさせてよ!」と言いたくなるほどだった。おまけに食べる時に総入歯がガタガタして、歯肉を痛めてしまったことも苦痛であった。
もう一つは「寝たきり入浴」である。初の「寝たきり入浴」は入院9日目で、合計3回の貴重な経験をした。
寝たきりの時は4階の「個室ベッド」から「移動ベッド」そして1階の「浴槽ベッド」に移されて、寝たままで全身を洗ってもらい、そのまま浴槽に入れられ入浴し、その逆のプロセスで4階の「個室ベッド」まで戻ってくる「恥ずかしさも何のその」と開き直っても、何か自分がモノ扱いされたようで違和感を感じた。一方で入浴後の気持ちよさは格別でもあった。
入院当初から作業療法士(OT:生活訓練主体)と理学療法士(PT:基礎訓練主体)が各1時間リハビリ訓練をしてくれたが、いろいろ配慮できる素晴らしいリハビリ担当に出会って、各リハビリ・ステップ「寝たきり⇒歩行訓練⇒自立化訓練」に応じた病室内の環境整備に積極的に協力してくれた。
おかげで日々の回復変化を実感しながら、自宅リハビリ(約1カ月半)に向けて、早めに回復することができたと思っている。彼等とのコミュニケーションがある意味では、入院生活を楽しく過ごすことができたと心から感謝している。