●般若心経を深める②
般若心経に関しては、松原泰道師の般若心経講話(CD付き)を繰り返し聞き、浄国寺の座禅会で般若心経を唱え、住職講話「仏遺教経」(釈迦の遺言:仏教思想の原点)の中で学んだり、加えて書籍「史上最強の哲学入門・東洋の哲人たち」(飲茶著)やウェブを通して調べたりして、多様な視点から理解を深め、おかげで自分なりの解釈が少しできるようになりました。これらを綜合して考えていく中で、先ずは「全体構成の編集見直し」や「文節ごとの直訳」を書いてみたいと思います。
※「青文字は経典文」「黒文字&赤文字が経典の横山解釈」
 

仏説摩訶般若波羅蜜多心経

偉大な智慧(六波羅蜜)の修行に関する心髄(真言)の経典
観自在菩薩行深般若波羅蜜多時照見五蘊皆空度一切苦厄
観音菩薩は智慧の深い修行(六波羅蜜の実践)をしていた時に/「五蘊(色受想行識)」は全て「(実体がない)」であると気付いて一切の苦悩から解放された。
舎利子/色不異空 空不異色 色即是空 空即是色/受想行識亦復如是
舎利子よ/色(全ての存在)は(実体がない)で、である。即ちは同じである/そして意識(受想行識)もまたである。
舎利子/是諸法空相/不生不滅 不垢不浄 不増不減 
舎利子よこの世の全ての存在は実体がない生ずることも、滅すこともない。垢にまみれることも、浄化されることもない。増えることも、減ることもない。

是故空中/無色無受想行識/無眼耳鼻舌身意/無色声香味触法
この世のすべてがだから/色もなく受想行識もない(=五蘊もない)備わっている六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)もない/また六根で感じる六境(色・声・香・味・触・法)もない。
無眼界乃至無意識界/無無明亦無無明尽/乃至無老死亦無老死尽 
眼に見える世界も意識の世界もない/無明(無知)であることもなく、無明が尽きることもない/またいることぬこともなく、老いること死ぬことが尽きることもない。
無苦集滅道/無智亦無得/以無所得故 
苦集滅道四諦:4つの真理)もないし/智(智慧)もなく、またを得ることもない/だから何も得ることはない。
菩提薩埵/依般若波羅蜜多故/心無罣礙/無罣礙故 無有恐怖 
菩薩は智慧を完成させるの修行(六波羅蜜の実践)をして悟っているのだから/心を迷わすものがない/心を迷わすものがないのだから、恐れることは何もない。
遠離一切顛倒夢想/究竟涅槃/三世諸仏 依般若波羅蜜多故
すべての存在を逆さまに観るような妄想の世界から遠く離れ/安らかな境地(涅槃)にたどりついた/三世(過去・現在・未来)の仏たちは、智慧を完成させるの修行(六波羅蜜の実践)をしているのだから
得阿耨多羅三藐三菩提 故知般若波羅蜜多
最上の智慧(六波羅蜜)を体感しており、全ての苦しみから解放され完全なる悟りを得ている。
 
是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪
それが偉大で神秘的なる真言(呪文)、無明を明らかにした真言(呪文)、超えるものなき真言(呪文)、比べるものなき真言(呪文)なのだ。
能除一切苦 真実不虚/故説般若波羅蜜多呪 即説呪日 
全ての苦しみを取り除いてくれる偽りのない真実である/智慧を完成させる修行(六波羅蜜の実践)について、次のように説かれた。
羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶/般若心経
ぎゃーてい ぎゃーてい はーらーぎゃーてい はらそうぎゃーてい ぼーじそわか。(梵語の和訳:往ける者よ、往ける者よ、彼岸に往ける者よ、彼岸に完全に往ける者よ、それがさとりだ、幸あれ)/以上が智慧の完成の神髄(真言)である。

次回この解釈をベースにして、私なりの「般若心経の全体解釈」をやってみたいと思います。