●般若心経を深める① |
般若心経に関しては、昔から言葉には親しんでおり、だいぶ昔に松原泰道師の般若心経講話のCDを繰り返し聞いてきて、そのエキスを整理して残しています。 そのメモを見て想像を膨らませて下記のように纏めてみました。 般若心経は、たった262文字に中に込められた深い意味を持つ言葉です。「仏の智慧」そのものであり、それを「空」という言葉で表しています。「空」とは囚われなくてもすむ道理のことで、「すべてに感謝」の心から生じます。世の中は自分の思い通りにならないことを得心し、全てのことを受け入れ、全てに感謝することが大切です。「偏らない心、囚われない心、拘らない心、広く、広く、もっと広く」を実践・体得していくことで、心の歪みをなくすことができます。 |
世の中の真理(道理)を知るために、さまざまな煩悩を捨て、自分の中で迷いながら探し求めていくものとして「3つの真理:諸行無常・諸法無我・涅槃寂静」があります。 *諸行無常とは「世は中のものはすべて移ろうもの」であり、「いま、ここ」に自分が生かされていることは有り難いことです。「ありがとうございます!」「いまから、ここから」という言葉に集約されるように感じました。 *諸法無我とは「我々は関わり合いの中で生きており、自分だけではあり得ない(因縁生起)」ということです。「おかげさま!」「ご縁に感謝」という言葉に集約されるように感じました。 |
*涅槃寂静とは、「二つの真理を実践・体得することで、我々は心安らかな悟りの境地(偏らない心、囚われない心、拘らない心)に至る」ことができます。「求めれば求めるほど、悟りの境地から離れていく」のではないかと感じました。 |
ここまでが導師の講話内容ですが、般若心経には「涅槃寂静の境地に至るための方策」についても記述されており、いろいろ調べてみました。 涅槃寂静に至るためのプロセスを説いたのが「四聖諦:苦諦・集諦・滅諦・道諦」です。 *苦諦:人生は苦しみに満ちています。 ⇒「四苦八苦」=「生・老・病・死」+「愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五蘊盛苦」 *集諦:苦しみの原因は、「四苦八苦」に対する煩悩や執着心にあります。 *滅諦:煩悩や執着心を捨てることができれば、苦しみは消滅します。 *道諦:その苦しみを消滅するためには、正しい道を実践することであり、その実践法が「八正道」です。 人生は苦しみに満ちていますが、その煩悩を取り去れば治癒されるということのようです。 |
「八正道」とは、以下の八つの「正しい認識や正しい言葉」を実践することです。 *正見 :正しいものの観方をする(固定概念をなくす) *正思惟:正しい認識や判断をする(真善美を基軸に置く) *正語 :いい加減な発言を慎む(嘘や悪口を言わない) *生命 :迷惑をかけずに規則正しい生活をする(思いやりの心を持つ) *正精進:悟りに向かい正しい努力をする(一生懸命に努力する) *正念 :正しい教えを心に留める(自利・利他の心を持つ) *正定 :正しい精神統一をする(座禅:只管打坐を実践する) 次回に続く |