■哲学を考える④ 哲学の歴史を知る①
いろんな書籍を調べていくと、哲学は時代の変化をつくり出しており、また時代に影響を受けて変遷していることを感じている。そして一般的には、西洋哲学を哲学と称しており、西洋哲学の歴史を調べたので紹介する。
なお蔦屋3年坂店に立ち寄り、関連図書を確認比較して「哲学史 見るだけノート」(宝島社)を購入し、個々の哲学者の考え方を調べるのに活用している。

①古代哲学(BC6~BC3世紀)
「哲学」という学問が古代ギリシャで生まれるまで、この世界のあらゆることは神々に寄って引き起こされると考えられていた。解決できない疑問が生じると、「神がやった」と片付けられていた。しかし、この伝統となっていた宗教的説明に疑問を抱く人々が生まれる。その一人が古代ギリシャで自然学者として活躍していた哲学の祖・ターレスだった。彼は理性を駆使して宇宙や世界を構成する「万物の根源」を探求するのはどうか、と人々に勧め、後継者が後に続く。こうして哲学が始まった。「万物の根源(絶対主義)」の探究から始まり、万物に共通するものはないという「相対主義」に発展していく。
この時代の哲学者を時系列で紹介する。ターレス(自然哲学:万物の根源は水)⇒ピタゴラス(数学:万物の根源は水)⇒ヘラクレイトス(自然哲学:万物流転)⇒パルメニデス(自然哲学:不生不滅)⇒デモクリトス(自然哲学:原子論)⇒プロタゴラス(相対主義:人間は万物の尺度)⇒ソクラテス(問答法:無知の知)⇒プラトン(イデア説:本質は天の上)⇒万学の祖・アリストテレス(論理学:3段論法も発案、形而上学が自然学の前にある)⇒エピクロス(快楽主義:死は恐るるに足らず)⇒ストア派の祖・ゼノン(禁欲主義:無為自然、欲望を捨て無欲を目指す)


タ-レス
 
ピタゴラス
 
ヘラクレイトス
 
ソクラテス

アリストテレス
 

②中世哲学(4~13世紀)
哲学はアレクサンダー大王の死と共に衰退。キリスト教の勃興と共に、一旦その影響を薄めていった。
キリスト教が世の中を支配していた中世社会では、神は絶対的な存在とされていた。哲学はキリスト教の下に位置付けられるなど、暗黒時代を迎えた。
中世に入るとキリスト教がローマ帝国の国教と定められ、人々の間で広く信仰されるようになった。この時代、哲学における最も重要なトピックスは神学と哲学、それぞれの理論が相反するものであったことである。
そこで目指されたのが、どちらかに軍配を上げるものではなく、哲学とキリスト教を融合させるという道であった。キリスト教会の教父であったアウグスティヌスキリスト教的プラトン哲学(三位一体説)を、アヴィケンナとアヴェロエスアラビア的アリストテレス哲学(魂と肉体の区別、哲学と宗教の両立)を、トマス・アクイナス(キリスト教的アリストテレス主義)が「哲学は神学のはしため」と述べたように、哲学はキリスト教の教えを下支えするものとして折り合いが付けられ、共に真理を目指すものとして再定義された。トマス・アクイナスの理論は、「スコラ哲学(学問の技法)」と呼ばれ、この時代に広く普及していった。(スコラはスクールと同源語である)

次回に続く