■座禅を始めて②

前回に引き続き、パンフレットから抜粋して、「禅宗について」を紹介します。

禅宗とは
一般に「禅宗」とは「座禅をする宗派」を言います。「禅宗」には、臨済宗と黄檗宗、曹洞宗があります。
臨済宗、鎌倉時代に中国の栄西禅師を招来し開かれました。臨済宗は、「お祖師様方の言葉や行状を収録した「公安」というものを中心にした座禅で、この公案と取り組みながら座禅修行をし、悟りを目指します。
黄檗宗は、自己の中に浄土を見出し、阿弥陀仏を発見しようという、禅と浄土思想の合致した念仏禅(隠元禅師)の教えで、普茶料理、煎茶等、独自の文化を持っています。
曹洞宗は、「修証一如、只管打坐」と言い、悟りと修業は一つのもの。悟りを達成する手段として座禅をするのではなく、座禅をする姿、そのものが「仏の姿」であり、悟りの姿である。座禅の実践によって得られる身と心のやすらぎが、そのまま「仏の姿」であると自覚する。
座禅の精神とは、行住坐臥(歩くこと、とどまること、坐ること、寝ること)つまり、日常の生活のすべてを座禅の心で行う、日常生活を仏の心で過ごすこと。それが道元禅師の修行観であったのです。

曹洞宗のご本尊様はお釈迦様です。そして右に永平寺のご開山・道元禅師様、左に総持寺ご開山・瑩山禅師様をお祀りしています。そしてこの3人を「1仏両祖」として仰いでいます。現在、約1万五千カ寺、僧侶1万六千人、檀信徒354万人(平成27年版)を有しています。
また曹洞宗には、永平寺・総持寺という二つの総本山がありますが、「1軒の家に、お父さんとお母さんがいらっしゃるように、一つの家なのです。」という説明がされています。これは曹洞宗の特色であり、お釈迦様、道元禅師、瑩山禅師を「一仏両祖」として仰いでいます。そういうわけで、曹洞宗では
「南無釈迦牟尼仏」「南無高祖承陽大師道元禅師」「南無太祖常済大師瑩山禅師」とお唱えし、信心の誠を捧げます。

以上でパンフレットに書いてある「仏教の教えとは」「禅宗とは」について、概要の理解はできたと思います。

浄国寺では、坐禅の素晴らしさを信徒以外の人にも学んでほしいと考えて、素人にも親しみやすくするために、細かい作法については省略してやっているようです。例えば、「警策を受ける:心が乱れた時に住職から右肩を警策で打ってもらう」などもありません。(本格的な座禅者にはあるようです)
座禅会は毎週木曜日午後8時スタートで、先代の時から休むことなく60年間続けているそうで、素晴らしい取り組みだと感激しています。

では覚えたての曹洞宗・座禅の作法について概略を書いてみます。
先ずは動きやすい服装で参禅会に参加・入堂します。

①素足になり、時計や携帯電話を外す
②文殊菩薩に合掌したあと座位へ
③座位に向かって合掌低頭(隣位問訊)、反転し合掌低頭(対坐問訊)
④座蒲に座り、壁に向かい結跏趺坐(又は半跏趺坐)
⑤両手を組んで(法界定印)、背筋を伸ばし腰決め(両膝と尻の3点で安定)、身体と息を整える。舌先は上顎の歯の付け根につけ口を閉じ、視線は1m前方(約45度の角度)に落とす。呼吸を整え(調息)、身体を整え(調身)、心を整える(調心)
⑥座禅開始の鐘3回(止静鍾)
⑦約40分の座禅 :一炷(いっちゅう:線香が燃え尽きる迄の時間)
⑧座禅区切りの鐘2回(住職の読経に従って一緒に「般若心経と普回向」)
⑨座禅終了の鐘1回(放禅鍾)
⑩体をほぐして座位から降り座蒲を整えて、合掌低頭、反転し合掌低頭
分かり難いと思うので、興味のある人はウェブ動画を見てもらいたい。
http://e-temple.info/zendosaho.html