■友、遠方より来る

 友、遠方より来る、また楽しからずや。
大学時代からの親友が、夫婦で九州旅行の際に熊本にも2泊3日でやってきた。彼は資源工学科、私は電気工学科と学部は違っていたが、教養課程で同じクラスとなり、それが縁で生涯の友となった。網走番外地も訪問した北海道一周キャンプ旅行、荒波に揺られての船での神津島旅行、鳥取砂丘で巨大な文字を合作した山陰旅行、自宅にも泊まってもらっての九州旅行など、その時々の光景が今でも瞼の裏に残っている。彼は深川木場の材木問屋の息子で、親譲りの1升酒も平気な男、私の下宿アパートにもしょっちゅう泊まったり、私も深川木場に泊まりに行ったりしていた。

 卒業後、彼は石油関係の会社に、私は電子機器会社に就職し、彼の東京での結婚式では司会進行をしたり、わざわざ秋田から熊本での結婚式に来てもらったりした仲である。私が中古で安いマイカーを手に入れ、5月連休にその車で秋田まで運転して訪ねて行って、ビックリさせたこともある。
彼は仕事の関係上、新潟や秋田、海外勤務(カナダ、オマーン)で過ごしていた期間が長く、今回は約30年ぶりの再会で、まさに「友遠方より来る、また楽しからずや」、そのものであった。

 この3日間は、仕事のことも一切忘れて、お互いに昔のことを思い出し、旧交を温めながら楽しい時間を過ごした。彼は夫婦での6泊7日の九州旅行を計画し、その中で熊本には2泊するようにしてくれた。
初日は、ホテルに落ち着いてもらった後、郷土料理の店で会食をし、今までの空白を埋めるように、昔を思い出しながら話をしたり、お互いの近況を語り合ったりした。やはり、お互いに歳を重ねたこともあり、「街ですれ違っても、お互いに気付かないだろう」ような状況であったが、いろいろ話し合っていく中で、表情やしゃべり方に、当時のことを含めて次々と思い出すようになり、多様な話にも花が咲いた。翌日のスケジュールについて、前もっての予約内容も含めて、どうするかを話し合って、彼等の旅の疲れも考慮して早めにホテルへ。
 
翌日は、友人夫婦のリクエストにそって、朝から水前寺公園に行くことにした。
ユックリ進む時の流れの中で、出水神社で参拝し庭園を散策してから、古今伝授の間での休憩を合わせて、2時間半ほどかけて自然を楽しんだ。庭園散歩の時には、途中で流鏑馬のイベント準備をしていたが、関係者に確認したところ、午後2時半からの実演だそうで、残念ながら見ることはできなかった。
古今伝授の間では、景色に加えユックリと過ぎる時間を心一杯に楽しんだ。白鷺の親子が、小魚をとったり低空飛行を右から左へ、また左から右へと、何回も往復したりし、珍しい光景と素晴らしい景色を堪能した。
今回初めて知ったが、白いスッポンが2匹いるそうである。「スイちゃん」「フクちゃん」の愛称で、幸せのシンボルにしているそうだが、両方のスッポンが小岩に乗っているところを見ることができ、このような光景も珍しいことのようで、非常にラッキーだった。

古今伝授の間で

出水神社にて

手前と奥の小岩に亀がいる

 その後、熊本城に移動して本丸御殿で本丸御膳を食したあと、天守閣に登り周辺を見渡し降りたところ、ちょうど武将隊の演舞が始まるところで、演舞も楽しむことができた。奥さんが、電気窯も持つほどハマり込んで焼き物をやっていることもあり、その後は伝統工芸館を訪問し時間をかけて見学をした。そのまま上通り→下通り→新市街を散策し、あまり腹が減っていなかったので、熊本名物の太平燕で軽めの夕食をとった。

武将隊と記念撮影

本丸御膳

  最終日は、曹洞宗雲巌禅寺にある五百羅漢と霊巌洞を訪問。五百羅漢を通りながら、いろいろある説明文を一つ一つ確認し、他愛もない話をしながら散策した。そして霊巌洞に行き着いて階段を登り、洞窟内を解説文にそって調べていると、新たな発見もたくさんあり、童心にかえって楽しむことができた。
その後に峠の茶屋で簡単な食事をして、昔、峠の茶屋があった場所の古井戸まで行く途中では、タケノコ掘りも見学できました。当初は島田美術館に寄ってから新幹線で博多に移動の予定であったが時間がなくなり、直接、熊本駅の新幹線口まで送り、別れた次第である。
そして、そのまま熊本駅まで送り、再会を約束して別れました。
時の経つのは、本当に早いものだと実感した3日間でした。
感謝!

五百羅漢

霊厳洞

また会おう!