■年末に際して

 今年は安倍首相が仕掛けた12月14日の年末総選挙があり、自民・公明の与党の圧勝に終わり、ますますアンバランスな国政が危惧される状況となった。
世界中でも顕在化している国を超えた存在「イスラム国」が出現し、世界中の大多数の不満分子の受け皿となり、過激極まりないことを行っている。関係国の戸惑いも広がるばかりである。一方で、治療薬が存在しないエボラ出血熱が世界各国に飛び火し、エボラ出血熱撲滅の戦いも厳しい局面を迎えている。

 アメリカの指導力・影響力の弱体化、中国の国境を超えた領土権を主張する南進政策や上海問題、ロシア・ウクライナ問題、イスラエル・パレスチナ問題、日本対中国・韓国問題など、国家・宗教・民族問題、貧富の格差問題などのルールなき戦いが勃発している。国家間ルールの破壊が平然と行われ、世界的に様々な分野での均衡が崩れてしまい、まさに従来の仕組みが機能不全に陥りつつあるように感じる。世界各国で、異常気象を含めて「とんでもないこと」が多発しており、当面はこのような状況が頻発するであろう。

 オムロン創業者の立石一真氏が44年前に未来学会で発表したSINIC理論でいうと、情報化社会(工業社会の最終段階)から最適化社会に移行して10年が過ぎたところであり、「破壊と創造が交錯する20年」と位置づけられているが、まさにその様相を呈している。
我々は、今まさに激変の時代を迎え、パラダイムシフト(従来の仕組や価値観の劇的変化)が起こりつつあり、ビジネスにおいても「キャッチアップモデル」から「フロントランナーモデル」さらに「知識産業から智慧産業」に移行していくための意識変革が必要とされる時代を迎えつつある。今からの時代の経営者に必要なものは、「他の真似をする」のではなく「ないものを創る」能力ではないかと思っている。

 今年は、私も古希(満69歳)を迎え、新たなチャレンジをいくつか始めているが、次世代へのバトンタッチもだいぶ見えてきたことがある。世界・日本情勢を見極めながら、来年は「最後のご奉公」の場固めの年にしたいと思っている。

ではみなさま、よい年をお迎えください。
感謝!!