■未来社会への視点/オムロン創業者・立石一真氏から学ぶC

  オートメ化創業30年記念の時に立石一真氏が執筆した「未来社会への視点」の全文を、4回に分けて紹介していく。今回は第3回である。

 3C技術を核にした情報化の進展
われわれは現代を情報化社会と規定しているわけであるが、そもそも情報化とはいかなるものであろうか。私は、情報化について、次のような解釈をしている。現代の社会には、生産一流通一消費という現象の他に、いわゆる社会現象がたくさんある。このような社会現象をシステムとしてとらえ、そのシステムをコンピュ―ティング・パワーと自動制御技術、つまりサイバネーション技術へとシステムが広がるから、ネットワーク化のコミニュケーション(通信)技術で処理することである。すなわちコンピュータ、コミニュケーション、コントロールという3C技術で処理することである。
この3c技術を核に現在、世の中のあらゆる分野で情報化が進んでいる。このように情報化が必要とされ、促進されるのは、それなりの社会的要因が働いているからである。その要因の一つは、政治、経済、産業、技術、文化、教育などが高度に発達したことである。これらのことが複雑化するにつれて、情報の量が加速度的に増大している。



 ただし、社会現象の複雑化、多様化に伴って、ますます発生するのはレベルの低いデータや情報である。それは必ずしも必要情報であるとは限らない。しかし情報化とは、低レベルの情報をもわれわれの社会行動の決定に寄与するように加工、処理ししかも創造することである。この情報化によってつくり出されるレベルの高い情報や知識は、新しい産業を作り出すエネルギーとなる。

  情報化の進展によって、どのように社会が変わっていくか。15年以上も前にシニック理論をとなえたとき、われわれは次のように予測した。
@ 情報的機能が占める比重が非常に増大し、したがって、それに対応する選択的機能の増大
A 流動化する価値体系に基づく評価基準の数量化へのアプローチ、およびその実用化。
B 社会、経済、産業、経営などの“制御された実験”と“確立性の高い計画”を可能にする知的技術の実用化。
C 従来の個別技術段階を超えた情報化、システム化など新しいソフトな技術体系の一般化。
D 定形的問題解決における機械化のためのマン・マシーン・システムの一般化。
E 外部の社会的要請に基づく大企業活動の多様化。
F 無人工場時代の進展、単純労働からの解放。
G 高等教育の大衆化。
H 個人消費の多様化。
I サービス経済の拡大。

 すでに1980年末に入って、実際にこの予測の多くが実現されつつある。それは立石電機が開発した未来予測理論が間違っていなかったということと同時に、立石電機の発展を見るかぎり、その経営の方向もまた、間違っていなかったということも意味する。