■屋久島訪問E 屋久杉自然館から帰路へ

 大川の滝、千尋の滝を観光した後に、昼食を兼ねて土産モノ店である「杉匠」に寄った。観光地にある店でも屋久杉の土産物はあまり買わずにいたこともあり、最終日には相当な時間を使って、いろいろ選ぶようにした。
屋久杉土産品として自分用に購入したのは、屋久杉でつくられたピラミッドの飾り物、湯呑と携帯ストラップの3点である。携帯ストラップは大川の滝で購入したが、ピラミッドと湯呑については、杉匠で気に入ったものを見つけることができた。
ガイドさんから初日に、屋久杉の何たるかを聞いていたことで、「見る目」もでき、それぞれを自分なりに厳選して買うことができたこともあり、非常に気に入っている。以前からあった屋久杉の民芸品についても、今までとは全く異なる視点で見ることができるようになったことを、嬉しく思っている。

ピラミッド

湯呑

携帯ストラップ

 そして最後の観光先である屋久杉自然館を訪問した。
屋久杉自然館は、コンクリート円筒構造の2つの展示棟と、それを結ぶ屋久杉の木造で構成された2階建て。立派な屋久杉の木組みと栂ブロック敷きの床で、木のぬくもりの気持ちよい空間でもある。
入館したすぐ左手に、ものすごく大きな縄文杉「いのちの枝」が展示されている。この枝の大きさについては、現物を見てみない限り「凄さ」をイメージできないのではないかと思う。「いのちの枝」は、平成17年12月に積雪で折れた縄文杉の枝だそうで、数千年を生きる巨木の生命力と、森の成り立ちを知る手がかりとして「いのちの枝」と名付けられたとのこと。

屋久杉自然館


いのちの枝


 屋内は下の階と上の階に別れており、屋久杉の長生きの秘密や人との係わり、貴重な林業の映像など屋久杉の情報と展示がされており、屋久杉に関しての数千年の歴史すべて分かるようにした総合資料館である。
江戸時代は、これほどの大きな屋久杉を、それも最もいいところだけを活用して、残りは放置していたわけである。その頃は運搬手段が人手しかなかったために、その立派な屋久杉の大木を、長さ50cm、幅10cmほどの短冊形の薄板に加工し、薪のように人夫が背負って港まで下ろしたそうである。それを船で江戸や上方に運んで、屋根を葺く瓦代わりにしていたような話を聞くと、もったいない使い方をしていたと、つくづく思ってしまう。今であれば、立派な床柱として切り出して、ヘリコプターで運搬したであろう。
 今回も想像以上に感動の多い旅行であり、天候にもガイドさんにも恵まれて、屋久島の自然を体いっぱいに感じることができ、最高の心のリフレッシュ期間となった。