■屋久島訪問B 白谷雲水峡とヤクスギランド

 
  屋久島2日目のメインイベントは、白谷雲水峡とヤクスギランドの2箇所で、それぞれの個性豊かな森の中を歩きまわり、心から楽しめた。
屋久杉で最も有名な「縄文杉」は見ることはできなかったが、白谷雲水峡では原生林の中の「弥生杉」や苔シダ類の中で、「痩せた土地で生き抜く草木の姿」を強く印象づけられた。
ヤクスギランドでは、その上にある「紀元杉」など多くの屋久杉を見て回る中で、「草木同士による長期的な生存競争の厳しい姿」をマザマザと見せつけられ、体全体で「自然の中で生き抜く」という感動を味わうことができた。
屋久島は、世界自然遺産の島であり、自然に触れ合う場所では、ガイドさんから、「入る前にトイレを済ましてください。」と何回も言われる。要は観光客が屋久島にない菌類などの異物をバラマキ、生態系を崩すことがないように、自然の中での大小便をするのを禁止しているそうである。

入 口

岩 の 上

急 流

  先ずは、宮之浦のホテルから、バスで白谷雲水峡を目指した。
白谷雲水峡では、弥生杉コース(1時間散策)、奉行杉コース(3時間散策)、そして太鼓岩往復コース(4時間散策)の3コースがあるが、我々は最も短い弥生杉コースであったが、幽玄の世界の中の散策を十分に楽しんだ。
「白谷雲水峡ミニ水力発電施設→白たえの滝、憩いの大岩→飛流おどし、さつき吊橋→2代大杉、そこからバックして弥生杉コースに入り弥生杉を鑑賞して入り口に戻る」というルートである。主な屋久杉としては、標高700m台にある「2代大杉(胸高周囲4.4m、樹高32.0m)」と「弥生杉(胸高周囲8.1m、樹高26.1m)」を鑑賞し、手で触れることができた。

2 代 大 杉


弥 生 杉

  屋久島は、およそ1550万年前にマグマが冷えて固まり、その後隆起して誕生した急峻な花崗岩の塊の島で、年間降水量も九州一で、綺麗に澄んだ水がたくさん流れている。そのことを実感したのは、岩場が大きな一枚岩でできている場所が数多くあったこと、そして雨水は長く留まれる場所がなく一気に海まで流れるので、途中で栄養分を蓄えることができずに、魚が全く住んでいないとの話を聞いた時である。
屋久杉と照葉樹との混生した素晴らしい眺めを味わいながら、途中で野生の鹿に出会ったりした。岩が苔生した場所には、実生の木が小さな木の芽を出したところや、それが長い年月をかけて大きく育った木も見受けられたが、自然界における悠久な時の流れと、自然の厳しさを如実に現していることを実感した。
林内では珍しいシダやコケ類の緑で覆われており、「もののけ姫」の舞台のイメージの源となった幽玄な世界を、存分に楽しむことができた。

一 枚 岩

もののけ姫の舞台

まるで人形

実生の木の芽