■屋久島訪問A 志戸子ガジュマル園
 
 初日は、熊本から博多に新幹線で移動し、福岡空港から35人乗りのSAAB340B型機(プロペラ機)に乗って屋久島を目指した。このような小型プロペラ機に搭乗したことは生まれて初めてであり、相当揺れるのではないかと若干不安も感じたが、往復とも想定していたよりは快適だった。
屋久島空港から安房港に向かい、鹿児島から船で到着したツアー客と合流して、志戸子ガジュマル公園に向かった。

  「ガジュマル」とは、クワ科の常緑樹で、熱帯アジアに広く分布し、幹から垂れたたくさんの気根は、十数年後には地について支柱のようになる独特の木である。やがて、大きな幹となり本体を支えるとともに、長い年月をかけて 横へ横へと成長していくとのこと。
ガジュマルが別名「歩く木」と呼ばれて いるのもうなづける。昔から沖縄では、精霊が宿る神木と言い伝えられ、大切にされてきたそうである。そして志戸子ガジュマル公園は、まるでジャングルのようで、ウッソウと茂った群生が見応えがあり、屋久島が自生の北限地ということである。この公園には、樹齢500年以上といわれる巨大なガジュマルをはじめ、 アコウの木や、クワズイモ等の亜熱帯植物を見ることができる。
ガイドさんから「これは小便の木です。なぜ小便の木というか分かりますか?」との問いかけがあったが、答えはないままだったので、宿に帰ってからウェブで調べてみた。ミツバウツキ科ツルピニア属の植物で、四国南部、九州、琉球列島、台湾に生息する常緑樹で、緑白色の小さな花が初夏に咲くようである。雨が多い時期に切ると、樹液がたくさん出るとのことで、「小便の木」といわれている。この木の学名はTurpinia ternata(ツルピニア・テルナタ)。このツルピニア属の属名そのものにショウベンノキ属との名前が与えられている。

ガジュマルの気根

樹齢500年の大ガジュマル

歩くガジュマル!?

 当日は、早めに宮之浦のホテルに戻ったので、ホテルの近くを散歩することにした。宮之浦川の近くで橋を渡ったところに「伊能の碑」が建っており、屋久島まで伊能忠敬が測量に来たことを知り、びっくりさせられた。それも「1812年(文化9年)3月27日午後10時頃、帆船30艘により、伊能忠敬を隊長とする幕府の測量隊が安房港に入船した。この船団は幕府の測量隊19名、薩摩藩の屋久島種子島測量付添役並びに人夫約160人と、総勢180人余のものであった。」とのこと。伊能忠敬が全国を回って日本地図を作った話は知ってはいたが、幕府の後ろ盾をもって、このような大規模な人員を使って実現したことに、心から驚いてしまった。
 
伊能忠敬の碑