■今からの時代に必要とされる地域企業のあり方

 私は熊本県中小企業診断士協会の理事であり、調査研究事業を担当しています。
昨年度は、新たな情報革命が顕在化してきている中、SNS等の急激な変化が世界規模で進展しており、今からの地域中小企業支援に必要となる「中小企業におけるソーシャルメディアの活用」をテーマに調査研究事業を行いました。

 今年度はそれに引き続き、別の側面からの根源的な「企業のあり方」を問うべく、「今
からの時代に必要とされる地域企業のあり方の調査・研究」をテーマに行い、2月13日の報告会に向けて、5人で分担をして纏めつつあります。
今回のコラムでは、その報告書の冒頭に記載する「はじめに」を以下に紹介いたします。
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 18世紀末頃からイギリスで産業革命が始まり、大きな技術変革そして社会変革が進展し、人類に繁栄をもたらしてきました。それから200年後の今、資本主義経済も国際化や通信・情報・物流などの技術革新等により、経済至上主義や利益至上主義の限界が見え始め、政治、経済、社会など全断面にわたり、行き詰まり感が高まっている状況にあります。
 
 そのような中で、昨年度は「中小企業におけるソーシャルメディアの活用」というテーマで、調査・研究事業を行いました。本質的な情報革命が顕在化しはじめ、大手によるビッグデータやオムニチャネルなどの活用により、「顧客の囲い込み、一人勝ち」が進展しつつあり、加えて大手が「ニッチな分野」にも進出するなど、パイが縮小する中で、中小企業の経営を揺るがせかねない事象も発生しはじめています。

 遡って考えますと戦後、我が国は「米国に追いつき追い越せ」を旗印に、企業は米国型経営を導入し「利益最重視、株主最重視」の経営を行い、長期戦略や先行投資を軽視する方向に走りました。その結果、「顧客より利益」「顧客よりリスク回避」を重視するようになり、変化への対応もできないまま現在に至っています。カネボウの白斑被害問題、有名レストランの食品偽装問題など、世界的評価の高い日本品質への疑念を与え、日本ブランドの劣化が顕在化している状況にあります。
 時を同じくして、坂本光司・法政大学大学院教授の書籍「日本で一番大切にしたい会社」が発刊され、日本の未来に向けて「日本企業のありたい姿の見直し」が始まっているように感じます。
 
 そこで書籍等に記載された事例企業の調査や、熊本にある「人を大切にする企業(今からの社会に必要とされる企業)」、「100年企業(100年以上継続し生き残ってきた企業)」を調査・研究することにしました。時代の変化への対応を行うと共に、日本や熊本の独自性を活かした企業のあり方を調査・研究することで、今からの日本・熊本の中小企業支援に活かしたいと考えています。

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 興味のある人は2月14日以降に、熊本県中小企業診断士協会に資料請求をいただくと、PDF版を
 提供する予定ですので気軽にご連絡ください。
                     一般社団法人 熊本県中小企業診断士協会
                           TEL 096−323−5114
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