■大きな変化の兆し

  昨年後半に、セブン&アイ・ホールディングスに関する記事で、「コンビニから百貨店まで300万点、全ての商品ネット通販」「最寄り店に配送も」という記事に驚きました。少し調べていると、鈴木会長が「リアルとバーチャルの融合を図った企業が生き残る」というような話をしていたことを知りました。
昨年後半の日経新聞の切り抜きを確認してみると、セブン&アイ、アマゾン、CCC、ヤマダ電機、ビッグカメラ、イオン、ユニクロなどが業際を超えての一人勝ちを目指して、オムニチャネル化し始めている話がたくさん掲載されています。
リアル店舗で小規模・多店舗を展開しているコンビニは、「遠くのスーパーより近くのコンビニへ」のキャッチフレーズがあるように、今からの時代に大きなアドバンテージを持つようになると想定されます。
 今、まさに日本の小売業(BtoC)が中小企業も巻き込んでの大競争時代になりかけていることを感じています。「リアルとバーチャルの融合」で、ますます一人勝ちの構造が加速されつつあります。一方で、一人勝ちで大きくなり過ぎると、チョットしたことで、アッという間に壊れる時代になってきている感じでもあります。具体的な話をすると、昨年からセブンイレブンが仕掛けて顕在化した「挽きたて珈琲戦争」が、スターバックスやマクドナルド、普通の喫茶店、缶コーヒーなどを、危機に陥らせ始めています。聞くところによると、「くら寿司」や「すき屋」なども「挽きたて珈琲戦争」に参入しているとのこと。大規模チェーン店舗が品揃えの拡大を含めて、ますます大規模化していく中で、まるでオセロゲームのように、短時間で大逆転が起きるような情勢になりつつあると思います。
 
 またコンビニがニッチ市場である過疎地にまで入り込み、また配送
まで始めるようになっており、今まで言われていた中小企業が取っていた弱者の戦略「ニッチ、差別化、一点突破」までに入り込むようになると想定されます。
そういう中で、中小・零細企業は、今からますます地域密着を重視した地域連携が大切になっていくと思います。
今年は、このような大きな流れが一気に顕在化する年になると想定され、中小企業の今後の生き残り策を再検討するタイミングが来つつあり、「リアルとバーチャルの融合」「中小企業の新たな戦略構築」をキーワードにして、活動をしていきたいと思います。