■「熊本を州都に」アンケート

  先日の熊日新聞の記事が気になった。
 県が毎年実施している県民アンケートで、道州制が導入
 された場合に「熊本が州都になってほしい」という県民の
 割合が、調査開始から3年連続で減っているとのこと。
 蒲島知事は、当初から「州都誘致」に意欲的で、2期目も 
 「州都構想」を策定してきた一方で、県民アンケートの推移
 をみると、2010年から2013年にかけて、「州都になって
 ほしい」との回答率が、51.4%→41.0%→32.7%→
 22.2%と急減しているそうである。「よくわからない」が
 2010年は24.7%だったのが、2013年では44.1%と
 大きく変化している。
 県企画課は、道州制導入に関して、国政レベルでの議論が
 低調だったことの影響を指摘している。県政運営基本方針
 「新4カ年戦略」を検証する委員会では、「州都になるメリ
 ットが何なのか、もっと丁寧に県民と一緒に議論すべき」
 との指摘もあるそうだ。
  
   時代の変化への対応として、「大きな政府」から「小さな政府」へのシフトは、必然のことと考えられ
 その方策として道州制があったことを記憶している。
 道州制は国家公務員の大幅削減が前提となるため、道州制を阻害する勢力が大きく存在することも
 事実である。それぞれのメリット・デメリットも存在するので、必ずしもバラ色の制度ではないことも分かっ
 ておく必要もある。
 また九州が道州制のモデルになるのではないかと言われていたが、九経連トップの交代や、九州知事会
 会長の交代など、従来の推進母体が変化してきたことも、今回のアンケートに関係しているのかもしれ
 ない。

  ウィキペディアに記載されていることだが、
 道州制とは、文字どおりには、行政区画として道と州を置く地方行政制度である。
 日本では、北海道以外の地域に数個の州を設置し、それらの道州に現在の都道
 府県より高い地方自治権を与える構想がある。州の呼称については都・道・府と
 するなどの案もあるが、ほとんどの案で北海道はそのまま道として存続するため、
 「州制」ではなく道州制と呼ばれる。ここで言う道もしくは州は、都道府県よりも広域な
 行政区分として新たに設けるものである。
 単に広域自治体の名称と規模を変えるにとどまらず、『平成の廃藩置県』、『廃県
 置州』とも呼ばれ、地方自治の役割や同州内の経済規模をEUの小国程度にして
 行政の効率化などを目指す。

   九州に関しては、九州地方知事会と、地元経済団体で構成される九州地域戦略
 会議が、九州7県を一体とする「九州府」構想を打ち出している。従来の東京偏重の
 施策から脱して、東アジアの拠点として成長するという、九州の持つ地理的特性を
 生かした長期ビジョンを掲げているのが特徴である。
 また道州制のメリットとして、以下の内容が書かれている。
 *国から各道州へ様々な権限、的確な財源等を移管すれば、地域活性化、地方経済
 再生、現行より適切な競争原理による日本全体の経済の興隆の実現を期待できる
 *小さな単位である市町村では実現の難しい政策を大きな単位である道州により、効
 率的かつ効果的に展開できる。
 *公務員数の大幅な削減に期待でき、行政をスリムにできる。
 *自然災害、戦争、テロなどで首都機能が停止した場合、道州が首都のバックアップと
 なれば、リスクマネジメントできる。
 *道州間で現行より適切な競争原理が働くようになり、それが行政や科学技術の
 イノベーションを産む原動力となる。又それらの好影響が日本全体の経済に反映
 される。