■日本が世界平和に貢献するF
 〜漫画・アニメで世界に日本文化を発信2/2〜

  欧州に目を移すと、1999年、日本文化の情熱的なファンであった数人のフランス人の
 若者が当時のフランスにおいてまだ未開拓だった漫画及び伝統文化、そして「今」の
 日本文化に特化したイベントを開催するという壮大な案を企画、そして実行に移した。
 こうして始まったジャパンエキスポは見事成功を納め、2007年にはヨーロッパ最大の
 日本文化とエンターテイメントの祭典となった。
 現在ではポップカルチャーだけでなく、日本の広い文化を取り上げることで幅広い層から
 人気を集めている。
 2012年はパリ近郊のヴィルパント国際展示場の12万m2を会場に
およそ570の企業・団体のブース出展があったほか、10数本のライ
ブステージを行った。また、コスプレ大会やサイン会など様々なイベ
ントも行われている。ヨーロッパを代表する日本カルチャー・イベント
として、その存在感をますます大きくしている。来年も7月上旬に
パリで開催する。
フランスで人気のイベントの米国進出は、日本、米国、ヨーロッパで
関係者の注目を浴びている。日本カルチャーの海外伝播に新たな
モデルになるのか気になるところである。

 ヨーロッパでは、5回目となるフランス・マルセイユのジャパンエキ
スポSud(2013年3月1日〜3日)、そして2回目となるジャパンエキ
スポCentre(2012年10月27日〜28日)とジャパンエキスポBelgium
(2012年11月2日〜4日)を実施する。パリ・ジャパンエキスポだけで
なく、様々な地域での拡大を目指している。
 2013年にヨーロッパ以外で初となるジャパンエキスポブランドの
大型イベントを米国で計画する。
 この第1回Japan Expo USは、2013年夏に、サンフランシスコ地区
で開催される予定。

  上記のような各種イベントの中で、世界各国でJ−POPののど自慢大会が開催されており
 その世界大会が日本で開催され、先日、テレビ放映された。
 日本に来たことのない若い欧米人が、日本の司会者の質問に対して、ペラペラの日本語で
 しゃべることに加えて、演歌を歌う時に「外国人が歌う演歌」とは思えない、「日本人の心、
 演歌の心」を歌い込んでいることには驚かされた。
 一昔前の外国人が、意味もよく分からないで歌っている演歌ではなく、正に日本人と見間
 違うように気持ちを込めて歌えることに、感動した。
  
  このような現象を別の側面から見直してみる。
 ごく一部の外国人からは、日本文化や日本人の持つ価値観に理解を示してもらえるものの、殆どの
 外国人からは、「日本人は、何を考えているのかわからない。」「なぜ、結論を出すのに時間がかかる
 のか?」などと思われていたわけであるが、アニメや漫画のストーリーの中に組み込まれている「日本
 文化や日本人の持っている価値観」などについて理解が深まり、日本人の考え方に共感できる外国人
 それも若い外国人が急激に増え始めているのである。このことは50年の年月をかけて海外輸出され、
 世界中に普及浸透してきた「日本のアニメや漫画」を通して、日本文化や日本人の価値観を理解でき
 る人々が、世界中に急激に増加しているわけである。今からの世界的新世代では、数千年をかけて
 培われてきた日本文化の中に、今からの世界に必要な重要な価値を見出すチャンスが来つつある
 のではないかと思っている。
  
  日本在住歴の長い日本びいきの外国人が、「日本に帰ってくると、ホッとする。」と話すのをテレビでも
 よく見かけるが、今からの時代には、日本に来たことのない外国人からも、「日本に行って、日本の
 雰囲気を味わってみたい。」というような人々が増えてくることが想定される。
 日本人の持つ価値観を、世界に発信して理解してもらえる土壌が広がっている中で、複数の文化を深く
 体験有して、且つ比較・表現力の豊かな呉善花さんのような人は、日本だけでなく世界にとって貴重な
 存在であり、そのような方々の比較・表現力を活用して、日本も外交的発信力を高めることが大切では
 ないかと考えている。