■日本が世界平和に貢献するE
 〜漫画・アニメで世界に日本文化を発信1/2〜
   
  最近の日経新聞記事によると、日本のアニメーションや漫画の人気が欧米で根強く続いている
 そうである。最近では中南米やアジアなど新興国でもファンが増え始めた。アニメから日本が好きに
 なり、日本語を学ぶ学生が増えており、ある統計ではアニメクラブに所属する学生の半分が、外国語
 クラスで日本語を専攻しているそうである。しかも、それらの学生の殆どが日本に行くことを切望して
 いるようで、日本発のアニメが日本文化を世界に発信し始めているようである。
  
  まず、テレビアニメの海外輸出の歴史を振り返ってみる。
 1963年にテレビアニメとして、初輸出された『鉄腕アトム』は、放送開始から8か月後に、アメ
 リカのNBC系列のNBCエンタープライゼスによって、全米ネットワークでなく番組販売される
 形で放送された。そして『鉄腕アトム』は現在までに30か国以上で放映された。
 1970年代前半には、テレビアニメの輸出が一般的になり、最初は香港と台湾向けに始まり、
 北東アジア圏、東南アジア圏で放送されるようになる。
 そして1970年代後半に、最初はイタリア、次いでフランスに向けに始まり、1980年代に
 かけてヨーロッパに大量に輸出される。その背景には、ヨーロッパにおける、テレビの多チャ
 ンネル化による需要と、日本製の作品が廉価で、本数の多さがあったようである。
 東映動画が制作したテレビアニメのうち全体の3分の2はヨーロッパ向けで、特にフランスと
 イタリア向けが多かった。アメリカ、アジア圏同様、内容が改変されることもあった。
 そして1980年代になると、中華人民共和国で放送される。現在、香港、タイ、台湾などでは、
 ほぼ1週間程度の差で、日本で放送されたアニメ作品が放送されている。ドラえもん、ドラ
 ゴンボール、ポケットモンスターなどは、キャラクターグッズも含めて、子供だけでなく大人
 にも大人気のようである。




  米国では、毎年10万人以上を集めるロスアンジェルスでの「アニメ
 エキスポ」のほか、サンディエゴでの「コミコン」など大小様々な催し
 ものが開かれている。日本アニメ関連イベントの専門サイト「アニメ
 コンズ・ドット・コム」によると、今年は全米40州以上で、実に260
 以上の日本アニメ関連のイベントが開かれる予定という。
 欧州では、期間中にのべ20万人以上を集めるフランスの「ジャパン
 エキスポ」を筆頭に、各地で日本のポップカルチャーを紹介するイベ
 ントが開かれている。
 当初は欧米が中心だったが、近年は新興国にも広がりをみせる。
 中南米事情にも詳しい日本アニメ情報サイト「ツイステッド・マンガ」
 によると、「最近はメキシコやブラジルなどでも、日本アニメの人気
 が高まり、イベントもある。」という。
  
  アジアのポップカルチャーの海外展開といえば、韓国の「韓流」も知られているが、ドラマやポップス
 音楽が中心の韓流に対して、「日本のポップカルチャーは幅が広く深い。現代日本の生活様式や
 日本人の考え方とも結びついて興味深い。」という声もある。円高や他のアジア企業の成長により
 様々な分野で「メイド・イン・ジャパン」がシェアを落とす現実がある一方で、アニメなどを通して、日本に
 関心を持つ層が日々生まれている現実もある。