■頑張れ頑張れイチロー! |
私はオリックス時代からイチロー選手のファンである。 孤高の中で、常に技を極める努力をしている姿勢をすごいことだと感じている。 彼の発言の中からは、自分を大切にすると同様に、ファンをはじめ周りの人々を大切に 考えていることを感じることができる。 私の子供と同年代の青年ではあるが、彼の含蓄のある発言には、いつも大いに刺激を 受けており、あの若さであれだけの実力と表現力を兼ね備えていることに驚くばかりで ある。彼の現役引退後は、武士道を極めた宮本武蔵の「五輪の書」の現代版を書き、 我々が読むことができるのではとさえ、つい思ってしまう。 |
メジャーリーグが始まると、私はマリナーズ・イチローのプレイの途中経過や結果を、毎日 インターネットで確認して、一喜一憂している次第である。 常にいろいろな記録更新を続けてきており、チームが低迷しても個人記録で様々な話題を 提供してきたが、昨年、残念ながら10年間続けてきた200本安打が途切れてしまい、今年も 昨年同様に打率低迷からなかなか脱することができずに、非常に心配していた。彼の技術が 精密すぎるが故に、歳を重ねることにより感覚や反応も変化して、綜合的な微修正が難しく なってきているのではないかと思っていた。 7月24日の朝のテレビでニュース番組を見ていると、イチローの緊急移籍会見が8時から 始まるとのこと。イチローファンである私にとって、思ってもいなかったことにビックリしたと いうか度肝を抜かれた感じであった。 |
彼の会見は緊迫感のある雰囲気の中で、マリナーズの退団会見とヤンキースの入団会見が、同じ場所で 続けて行われた。 「11年半、ファンの方と同じ時間、思いを共有したことを振り返り、自分がマリナーズのユニホームを脱ぐと 想像したときに大変さびしい思いになったし、今回の決断は大変難しいものだった。オールスター・ブレーク の間に、自分なりに考えて出した結論は、20代前半の選手が多いこのチームの未来に、来年以降僕が いるべきではないのではないかということであり、そのことで僕自身も環境を変えて刺激を求めたい、という 強い思いが芽生えた。」 すなわち、「若手の育成の場が必要なマリナーズの将来のために、自分はマリナーズを去る必要があり、 そうなった時には自分の新たな能力を発揮する場を求めたい自分の将来のために、ヤンキースへの 移籍を望んだ。」というわけである。 裏を返すと「マリナーズのイチローで現役を貫きたい」気持ちと、「常勝軍団・ヤンキースに移籍して、未経験 のリーグ優勝やシリーズ優勝を目指してチャレンジしたい」気持ちとの葛藤が、「今回の決断は大変難しい ものだった。」と言わせているのだと思う。 |
今までは、マリナーズが常に最下位に近い中でも、後半になってのモチベーションを イチロー個人の成績に置くことでやれてきたが、昨年、今年の状況になると、モチベー ションを保つことが、なかなか難しくなっているように感じる。そうはいっても、今までも チームから浮いた存在になったこともあり、周りからのやっかみを受けながら、負け癖の 付いたチームにいて、モチベーションを保つことはイチローだからできたことであり、並大 抵のことではなかったように思う。 今回の移籍により常勝軍団のヤンキースに入団することで、後半のモチベーションを リーグ優勝やワールドシリーズ優勝に持っていくことも可能であり、昨年とは異なり、今年は 今から徐々に打率を上げて200安打も達成する可能性も結構あるように思うし、そうなっ てほしいものである。とはいうものの、常勝軍団のヤンキースが優勝を逃したり、イチロー 自身が優勝にあまり貢献できない結果だった時には、来年度もヤンキースでプレイする ことができなくなったり、結果次第では現役を続行できなくなることも想定できる。 今回のヤンキースへの移籍は、本人も十分承知しているように「両刃の刃」であり、この イチローの退路を断っての新たなチャレンジを、心から応援したい。 |
私の姉がニューヨークに住んでおり、今まではヤンキース・松井グッズは手に 入れやすいが、マリナーズのイチロー・グッズは手に入れにくいと言っていた。 今からは姉にお願いをして、ニューヨーク・ヤンキースのイチロー・グッズを手に 入れやすくなるので、イチローが活躍すればするほど、楽しみが増えること になる。頑張れ頑張れイチロー! |