■木の葉猿
  昨年後半、熊本市伝統工芸館に行った時に、熊モンと木の葉猿のコラボ
 商品を見つけて買ったことがあり、自宅のテレビの脇に飾っている。
 木の葉猿の由来についてであるが、今から1300年前、木葉山の赤土で
 祭器を作り、残りの土を捨てたら猿に化したという伝説を持つ木の葉猿は、
 手ひねり、素焼きの素朴な伝統玩具で、お守りやお土産に最適なもので、
 「悪病、災難除け、安産子宝、子孫繁栄の守り神」として、相当昔から全国的に
 有名だったようである。木の葉猿の基本形は20種類あるようだが、改めて
 電話で確認するともっとあったようでもある。
 
          http://www5e.biglobe.ne.jp/~rozan/saru.htm

 木の葉猿3匹猿離
 
 先日、長洲に行った帰り道に「木の葉猿窯元」を見つけ、窯元には熊モンとの新しいコラボ商品で面白いものがあるのではないかと思い立ち寄ってみた。
他に客はいなかったので、ゆっくり展示場の中を探してみたところ、新幹線と熊モン&木の葉猿のコラボ商品や熊モングッズなど新しい商品もあった。よく見るといろんな種類の木の葉猿が置いてあり、何か面白いものを一つくらいは買おうと探した結果、一番小さいバラバラの3猿「木の葉猿3匹猿離」(見猿、言わ猿、聞か猿)を購入することにした。この3猿が何故バラバラなのかを店番の若い女性に聞くと、小さすぎて3猿を一体に作ることが難しいので、バラバラにしたとのこと。
購入をきっかけにいろいろ話し始めたところ、彼女が窯元7代目・永田禮三氏の三女・川俣早絵さんであり、8代目として7代目の跡を継ぐことになっていることが分かった。そして8代目には9代目がお腹の中におり、もうすぐ出産を迎えるとのことで、おめでたい限りである。
そうなるといろいろと興味が湧き話を聞いているうちに、作業場にも案内されて、木の葉猿の由来の話にもなり、初めて聞くワクワクする話が沢山出てきて、お茶も出してもらい、しばらく滞在することとなった。
興味深かった話を、いくつか紹介したい。
 かの有名な滝沢馬琴が書いた「南総里見八犬伝」(1814年初刊され1842年に完結)の9巻目(第九輯巻五十)の挿絵に木の葉猿が書かれているようで、その拡大版が展示されていたこと。犬に乗った猿の絵で、解説に「肥後国玉名郡内田の土産」と書かれている。この交通が不便な時代に、江戸にも肥後の土産物として木の葉猿が届いており、当時の有名な本に掲載されていることは凄いことである。
また1916年(大正5年)の「全国土俗玩具番付」の大きなパネルも見せてもらったが、そこには東の横綱として木の葉猿が掲載されていた。昔から木の葉猿が、全国的に有名な土産物だったことに、改めて驚かされるとともに感動した次第である。

    全国土俗玩具番付

     木の葉猿3猿
  (見猿・聞か猿・言わ猿)
他に変わったものとして、「木の葉猿4猿」や「木の葉猿逆3猿」などがある。
「木の葉猿4猿」は3猿に加えて、右端にオッパイのある雌の猿が局所に手を当てたもので、「見猿、聞か猿、言わ猿」に加えて「見せ猿(慎み深い)」というものらしい。
「木の葉猿逆3猿」は、3猿(見猿、聞か猿、言わ猿)の逆バージョンで「見る猿、聞く猿、言う猿」というものらしい。昔からあったもののあまり売れる商品ではなかったが、時代の変化に合わせて、最近は売れ始めているとのこと。
なるほどと思ったこともあり、私も記念に大きさが同じの「木の葉猿3猿」と「木の葉猿逆3猿」の両方を買って帰り、最初に買った「木の葉猿3匹猿離」と合わせて早速、事務所に飾っている。

    木の葉猿逆3猿
   (見る猿・聞く猿・言う猿)