新たな気付きE :無限の可能性を引き出す術
 すべての人間は無限の可能性を秘めているが、結果として保有している能力を、ほんの僅かしか発揮できないまま、生涯を終えてしまう人が大多数であると、私は思っている。
 「自分にはできない。」と思った途端、実現可能性はゼロであり、「自分にもできるかもしれないから、やってみよう」と思ったら実現する可能性が生じ、「必ず自分にはできる!」と確信をもって実行すると、より可能性が高まる。「必ず自分にはできる!」と確信を持つのに加えて、更に「断固としてやる覚悟」を持つことで、殆どのことは実現するのだと思う。
 しかし残念ながら多くの人々は、「失敗するのは嫌だ」「そんなことは自分には無理」「そんなことは自分と別世界の話」「非常識ではないか」「周りの目が気になる」などと、自分を守る気持ちが先立つようで、自分の能力発揮の可能性を、自分自身で殺してしまっている。それらの原因に子供時代の教育が大きく影響しているように感じる。

 先ずは、親や周辺にいる人たちと子供の関係による影響がある。
例えば、親や周りから「こうあるべきだ!」「・・・してはダメ!」などの言葉を聞き続けたり、逆に過度な期待を受けることで、潜在意識の中に自分で枠をつくってしまったり、失敗を極度に恐れる気持ちを持つようになりがちである。
 次に、戦後の学校教育の変質による影響も大きいように感じる。
例えば、「子供にも人権がある。」「差別してはいけない、全てを平等に」「道徳教育は戦前の軍国教育に繋がる」「詰め込み教育からゆとり教育に」など一見、響きのいい言葉の下に、「失敗させない」「傷付かせない」「優劣をつけない」など過保護状況に置くことで、結果として「チャレンジしない」「失敗経験がない(成功経験もない)」「強い気持ちを持てない」「持久力が足りない」「好奇心を持てない」子供に育ちがちではないかと思う。
 チャレンジする能力(始め続ける勇気)や、自分で考える力が不足しており、当事者意識の欠如も顕著である。本当は、「算数が得意」「音楽が得意」「国語が得意」「絵が得意」「走るのが速い」など、子供にはそれぞれ個性があるのだが、その個性を埋没させているのではないか。

 一方では、ゆとり教育といいながら、実態は塾通いする子供が増加して、子供はゆとりどころではなくなった。そして最近の若者に感じることは、「知識は豊富だが経験不足」ではないかとか、「自分の行動の結果はどうなるのか」などのシミュレーションができない(創造力の欠如)ように感じる。
 また全てにおいて「楽して得する、ムダな労力を使わない」などと考えるようになったために、たいした経験もないまま効率的にやることにより、試行錯誤を経験(失敗経験も成功経験も少ない)することもなく、実感を通して身に付く智慧がなくなってきた。そして、生きていく上での大きな能力である「努力、辛抱、根性」が身についていないように感じる。
 入院中に、フジテレビ「エチカの鏡」を見た時に、プロゴルファー・横峯さくらの父である横峯良朗氏の兄・横峯吉文氏が経営している幼稚園がとり上げられていたが、幼稚園児の生き生きした姿やチャレンジ力には感動した。
 横峯氏は、鹿児島県志布志市で、通山保育園、伊崎田保育園、たちばな保育園、太陽の子山学校演習場などを経営しているそうである。
 http://www.yokomineshiki.jp/
その横峯流・育児4か条は、以下の通りであり、子供の心の中に実践からしか得ることのできない実感を持たせるやり方に、なるほどと感心させられた。
@ 競争させる(向上心) :「くやしい!」と思う心、劣等感を幼いうちに学び、それに対処する心や競争
              力が大切である。幼い子供は「まあいいや」という妥協はない。
A マネをさせる(学ぶ心):例えば音をマネさせることで絶対音感が身に付く。昔から「学ぶ」の原点は
              「真似る」と言われている。
B ちょっとだけ難しいことをさせる(チャレンジ精神) 
               :難しいことはやりたがらない、簡単なことは飽きる。ひらがなの「あ」を書く
               のは難しいので、|(タテ線)、−(ヨコ線)、+(十字)、カタカナを書くことか
               らはじめ、いろいろな字を書くことに慣れた最後に「あ」を書かせる。
C 認めてあげる(自立心):やったことを記録してあげる。たとえば読んだ本のタイトルをどんどん記
               録して増えていくことを褒めてあげる。

 横峯氏曰く
「全ての子供は無限の可能性を秘めている」「すべての子どもが天才である。」が大前提として教育を行っている。
できることは面白い面白いから練習する練習すると上手になる上手になると大好きになるそして次の段階に行きたくなる
 すべては1から始まり毎日の積み上げで10年でだれでも一流になれる。
ヨコミネ流「読み」「書き」「計算」「音楽」「体操」のやり方があり、それを実践している。ここの教育ノウハウを活用する幼稚園も、全国各地に増えているとのこと。
子供教育の、というか人間教育の原点にあることを、幼稚園での幼児教育に採り入れ、見事に実践していることに共感し、この考え方は、子供だけでなく大人にも通用すると思った次第である。