■新たな気付き@ :人生初の長期入院
 世界的な異常気象の中で、長雨や豪雨が続いたあと、連日の真夏日が続いている。早いもので、2010年も半ば過ぎてしまったが、今年は、私にとって今までに経験をしたことがない、「仕事は殆どしないで、半年間の長期入院」という特別な年となった。
 
 2007年に発症した難病が、昨年末頃から急激に症状拡大・悪化したため、今年の1月6日に熊大病院で診察を受けた。医師からは、「即入院が必要」と言われたが、仕事に支障をきたさないようにする必要もあり、入院までに少し時間を貰うこととした。おかげでスケジューリングしていた仕事に関しては、種々の段取り対応を行うことで、1月21日に心おきなく入院することができた。
 先ず熊大病院に入院して胸腺摘出手術とステロイドの大量投与(隔日100mg)を行い、症状改善が見えてきた3月12日に熊本機能病院に転院し、6月30日までステロイド減量処置&リハビリ治療をするという半年にわたる長期入院生活をすることとなった。今後も当面の間はステロイド減量処置を行いながら、徐々に現場復帰に向けて新たな活動の模索をしているところである。
 
 この半年間に多くの方々から、心配していただき、また励ましをいただき、おかげさまで、ほぼ正常状態になるまで回復することができたと思う。皆様方からの励ましには、元気になるための大きなエネルギーをいただき、感謝の念で一杯である。
 半年ぶりに娑婆に出てきたので、浦島太郎のような感覚もあるが、今からは試行錯誤を楽しみながら、新たな生活ペースをつくっていきたい。何よりも大切なこととして、無理をして再発することは、ないようにしたいと思っている。
 
 「神様が与えた試練は、必ず、その人が克服できる試練である。」との言葉がある。今回は神様が、「あなたは、今までの生活スタイルを見直すタイミングにきているよ。」と、病気のシグナルを強めて伝えてくれたと思っている。
 長期に入院したことも仕事から離れたことも、社会人となって初めての経験であり、私の人生の大きな節目を迎えたことは確かである。
 半年間の仕事のブランクに対しては、「何かが終わることは、新たに何かが始まること」であると考えたい。今からは、「新たな始まり」に向けて、チャレンジし続ける勇気を持って、新たな生活スタイルづくりを行っていきたいと思っている。
 
 今回、長期入院という特別な経験したことで、長期間、仕事から離れて考える時間が山ほどあった。時の流れがゆっくり進む病院生活の中で、死について考えたり、今まであまり考えていなかった多くの気付きを得ることができたのは、自分にとって大きな変化点である。
 入院中に感じて書き留めたことを、このコラム欄で一度、整理・シリーズ掲載して、今からの「新たなスタート」に活かしたいと考えた次第である。
先ずは、難病による入院治療の経験を通して身を持って実感したことについて、次回から書き始めるようにする。