■またたび細工
福島県金山町には暮らしに根付いた手仕事が受け継がれています。それが「またたび細工」です。竹が育ちにくい金山町ではまたたびを用いてザルやかごを作り上げてきました。縄文時代の遺跡からも編みかごが出土しているそうです。

現在では高齢化が進み、作り手も少なくなってきましたが、令和5年に福島県の伝統工芸品に指定されてから町が中心となって講習会を開催していて、そのお陰もあり、参加者は県内外から幅広い年代の人が訪れ、若い受講者も少しずつ増えているそうです。

またたび細工職人の栗田さんは10月から11月にまたたびの蔓を採取。収穫したら切り口を1週間ほど水につけ、日陰に干して保管します。その後、表面の皮を竹べらを使って剥ぎ、割り道具で1本を4等分に割きます。さらに、割った棒状の木片を、ナイフで何度も削りながら「ひご」と呼ばれる細く平らな形状にしていきます。出来上がったひごを丹念に編み上げると、水切れがよく乾きやすいまたたび細工が完成します。
使うほどに艶が増し飴色へと変化し、大事に扱えば50年位は使える。と、栗田さん。近年は道の駅や展示即売会でも人気で県外から訪れるファンも多いとか。「多くの方に知ってもらえるのはありがたいのですが、せっかくならまたたび細工をきっかけに金山町を訪れて、町の風景や文化と合わせて楽しんでほしい」とも。
                   (ダスキン 喜びのタネまき新聞より)