■鯛 車

新潟県新潟市の巻地区ではお盆の夕暮れ時鯛の形をしたおもちゃをゴロゴロと引く子どもたちの姿が見られます。
古くからこの地区に伝わる、竹と和紙でできた、郷土玩具「鯛車」です。起源は定かではないが、江戸時代末期頃から造花屋や籠屋が作って売っていたと言われています。昭和初期頃には鯛車を作る職人さんも高齢化のため、徐々に姿を消していき、一度途絶えてしまいましたが、かっての情景を取り戻そうと2004年より「鯛車復活プロジェクト」がスタートしたそうです。
始まりは「学生時代に卒業制作として子供の頃に親しんだ鯛車を作ったことでした。材料や製法もわからず、かっての職人さんの資料や残っていた鯛車を分解しながら、自分で設計図を起こすことからはじめました」と発起人の野口さんさん談。

2004年6月に開催される「まき夏まつり」で鯛車の復活パレードを行ったところ、年配の方は昔を懐かしみ、子どもたちからもその可愛らしさから人気を博しました。
一家に一台鯛車がある風景を取り戻し、鯛車の明かりで街を真っ赤に染めること。そんな夢を実現するために、毎年公民館で開催されている体験会は今年で20年目を迎え、これまで作られてきた鯛車は1500台を超えるそうです。制作体験会は東京や長野、姉妹都市のアメリカテキサス州ガルベストンでも開かれ、今や国内外で注目されています。
古き良き文化を取り戻すために街の人の手によって復活した鯛車。
これからも途絶えることなく受け継がれ、街なかをずっとずっと明るく照らして行くことでしょう。素晴らしいですね!!

                    ダスキン喜びのタネまき新聞参照