■小樽ガラス

明治時代、海の玄関口として多くの人や物が行き交った小樽市。当時はまだ電気が普及してなくて、夜の灯りとして石油ランプが使われていました小樽では、ガラス製のランプを製造すると同時にニシン漁が盛んでこの2つの背景が相まって発展したのが「小樽ガラス」だそうです。
「ニシン漁では縄を浮かせる浮き玉 という道具が必要になります。もともとは木や竹で作られていましたが次第に耐久性も浮力も高いガラス製の浮き玉が主流となりました。昭和22年頃には千トン以上もの浮き玉が作られていたと言われています。」と現在国内で唯一ガラスの浮き玉を作る浅原ガラス製造所の四代目・浅原 一郎さん。
小樽ガラスの浮き玉の特徴は、海に溶け込む淡い青緑色と丈夫で軽く、安価だったこと。「漁師たちが大量に使う消耗品だから高価なものではだめだったんです」と浅原さん。その精神は脈々と受け継がれ、現在も蛍光灯や空き瓶などのリサイクルガラスを用いて作られています。
現在もニシンをはじめ、ホタテの養殖やサケ・マグロ・ヒラメなどの漁で浮き玉が使われています。色や大きさは用途に応じて色々。
最近は漁具としてだけではなく、インテリア用品としても人気だそうです。浮き玉の中にキャンドルを入れる「浮き玉キャンドル」など情緒ある雰囲気が醸し出せると飲食店からの注文が多いそうです。
毎年2月には小樽運河に約200個の浮き玉キャンドルを浮かべる「小樽雪あかりの路」というイベントが開催され国内外から多くの観光客が訪れるそうです。