■駿河竹千筋細工
 

徳川家康が隠居した地として知られる静岡県静岡市.この町を流れる安倍川と、その支流の藁科川の流域は昔から良質な竹が多く採れ、弥生時代の登呂遺跡からも竹製のザルや籠が出土している。
鷹狩りが好きだった徳川家康も、鷹の餌籠を竹細工で作らせたと伝えられています。
駿河の竹細工は武士などを中心に人気を博したそうです
現在に受け継がれている「駿河竹千筋細工」とは?
平らな竹ひごで編まれる一般的な竹細工とは異なり、丸く加工したマルひごを用いているのが特徴。
一本一本に角がないため手触りが優しく、羽根を傷つけないからと鳥籠や虫籠が多く作られてきました。その後、花器や菓子器などの美術工芸品も創作されるようになり、明治6年にウィ-ン万博に出品した際には、その技巧が国際的な脚光を浴びたそうです。
「駿河竹千筋細工」は丸ひご作りから仕上げまでの工程を一人の職人がつくります。
山に入って青竹を伐採するところから始まり、竹を煮て油を抜き、青竹をナタで細かく分割。さらにいろいろの工程を経て丸ひごを作っていきます。糸のように細くなった丸ひごと晒し竹で作ったパーツを、独自の手法で曲げたり、つなげたりしながら細かな模様や美しい曲線を生み出していくのだそうです。(千筋とは「まるひご」が畳の短辺に千本並ぶほど細かいことから名付けられた)と言われています。
近年はランプシェードやウオールアートなどがインテリアに取り入れられたり、スポーツの国際大会でトロフィーとして贈呈されたりと、様々な場面で目にする機会も増えて、繊細で美しい細工は洋風の建物とも相性がよく、海外からの人気も高いようです。
年月が経つほどに竹が飴色になり、長く愛用できるのも駿河竹千筋細工の魅力です。(ダスキン:喜びのタネまき新聞より)




竹の表皮を薄く削る「厚み決め」


細く割った竹を穴に通すことで
丸ひごができる