■尾戸焼の可杯

坂本龍馬の出身地高知県で古くからある焼き物が尾戸焼(おど焼)
尾戸焼は1653年に当時の土佐藩主・山内忠義公の命により、現在の小津町である尾戸で開窯しました。
以来、藩主の贈答品として用いられるなど土佐の国焼として栄え、1820年に良質な土が採れる能茶山周辺に移窯されました。
尾戸焼は、端正で薄作り、淡色の地肌に藍色の顔料で絵付けされたものが代表的です。
「昔は茶道具や水瓶などを作っていましたが、時代とともに日常使いの器が主流になりました」と谷製陶所の5代目谷真一郎さん談。
尾戸焼の中でも高知の宴席に欠かせない酒器が「可杯」(べくはい)
可杯とはすべて飲み干してからでないと、卓に置けないお猪口のこと。底が尖っているものやあなが開いたもの、人や動物の姿をモチーフにしたものなど様々です。
漢文で「可」は文末に書くことがないため、下に置けない杯を「可杯」と呼ぶようになったそうです。
高知では宴会でおもてなしをすることを「おきゃく」と言い、皆で大きな皿鉢料理(さわち料理)を囲む文化がありそのようなときに可杯で宴を楽しんでもらうようです。
                (ダスキン喜びのタネまき新聞より)