■津屋崎人形
日本には色々な地方でまだまだ全国に知られていない昔からの、手仕事があります。今年も日本の「古き、良き時代」の手仕事を昨年に引き続き「ダスキン喜びのタネまき」新聞より抜粋して紹介していきたいと思います。今年の1番は福岡県福津市の津屋崎地域の「津屋崎人形」です。
福岡県の北西部にある福津市の津屋崎地区は江戸時代から昭和初期まで塩の積み出し港として栄えた港町。
ここで塩と一緒に運ばれていたのが「津屋崎人形」です。
特徴は丸みを帯びた形と鮮やかな色彩。 「全体的に丸くて分厚いのは正面と背面の型に粘土を押し込んでから二枚をあわせる方法です。と、江戸時代から続く筑前津屋崎人形工房の8代目原田翔平さん。この製法はとても難しく、やきあがった時に割れないようにするために高度な技術を要します。継ぎ目をきれいに整え焼き上がったあとも一体一体細かく彩色するなどすべてが手作業です。
 原田さんの工房で代々受け継がれている型の数は1500個以上もあるそうです。その中でも古い歴史を持つのが「モマ笛」モマとは津屋崎の方言でフクロウのことで、山中で道に迷った人がフクロウに導かれて金の玉を得たという伝説が残っていることから、縁起物として親しまれてきた。
愛らしい見た目に加え、尾の吹き口に息を吹きかけると「ほーほー」と柔らかい音色が響きます。
 吹くと気道が広がるため、お年寄りが食べ物を喉に詰まらせないようにと食事前に吹く風習もあったそうです。
 豪華絢爛な津屋崎人形は毎年7月に開催される「津屋崎祇園山笠」で見ることができます。
 現在津屋崎人形を作っているのは原田さんの工房のみだそうです。
 
*福岡県福津市津屋崎
   福岡市と北九州市の間に位置する福津市津屋崎。江戸時代から海上交易と製塩業で栄え
   明治時代には西日本最大級の塩田とも呼ばれていた。
   津屋崎千軒の街並みや、ウミガメが生息する美しい海岸でも有名。