■奈良墨
墨をすり,筆で書くことが少なくなってきた昨今ですが墨をするときの香りには癒やし効果があるそうです。まさに今こそ墨をすることが必要な時代でしょう。墨についてダスキン新聞に載っていたので下記に述べます。
平城京として栄た、美しい古都奈良で受け継がれているのが「奈良墨」です。墨は約1400年前の飛鳥時代に朝鮮半島より伝来した。
当時文化の中心地であった奈良の地で写経や学問に必要な筆記具として作られた。その後、都が京都に移つたあとも墨の工房は奈良に留まり、現在も全国の90%以上の墨が奈良で生まれている。「奈良墨」の特徴は、質の高さで、成分の粒子が細かく均一であるため書き心地がよく、細字を書く際も筆の進みが良いそうです。同じ黒色に見えても、濃淡の中に赤みや青みを感じるなど、多彩で深い色が出るのも特徴。
墨の種類や水の割合で異なる色が出せるため、書道や水墨画の専門家からの注文が後を絶たないそうです。
製造方法は昔からほとんど変わらず今も職人の手仕事だそうです。
主な原料は、煤・膠・香料の3つ
煤(すす)に膠(にかわ)を混ぜて墨玊を作り、麝香(じゃこう)や龍脳(りゅうのう)などの香料を加えて足で練った後さらに手を使って練る。
木型に入れて固め、木灰乾燥させる。急激に乾燥させると墨が割れてしまうので、湿度の異なる灰を毎日入れ替える。
30日~100日ほど自然乾燥させてから磨きと研ぎを行い、文字や図柄の彩色を経てようやく完成です。
墨は保存状態が良ければ数百年は持つと言われている。年月が経つほど書きやすさが増して上質になっていく。
3年~5年のものは新墨。10年、20年経ったものは古墨と呼ばれワインのように価値が上がるんだそうです。
 * 「奈良墨」は平成30年に国の伝統的工芸品に指定された。