■衣更え

中国の風習である「衣更え」を日本が取り入れたのは平安時代のことです。
貴族だけが年二回、夏と冬の装束を入れ替えていました。
江戸時代になると、幕府が武士の衣更えを制度化しました。しかし、庶民は手持ちの着物が限られているので、冬の間は綿入りの着物を着て、春になると綿を抜いて春用に仕立て直しました。
伝統的な着物文化では、季節に応じて「着分け」という衣更えをします。その季節に相応しい色や柄を選ぶ際は、実際の季節より一足早い柄を選びます。桜が満開のときに桜柄の着物を着るのは野暮だということです。
庶民は、着物に冬は綿を入れて、春になると綿を抜いて仕立て直して着ていたとは知りませんでした。まさにSDGsの生活をしていたのですね。

現代では、学生の制服が冬服から夏服に替わるときが衣更えの時期でしょうか。熊本は暑くなるのが早いので、もう少し早く衣更えをされるおウチもあるでしょう。
以前に比べると衣更えをする時期が曖昧になってるような感じもします。
衣更えという季節の風習も衣服も大切にしたいですね。
              (職場の教養:一般社団法人倫理研究所 より)