■ばらもん凧

長崎県の西に浮かぶ、大小150からなる五島列島。その中で最も大きな島である福江島では、子どもの初節句の際に祖父や父親が「ばらもん凧」を贈る風習が受け継がれています。
ばらもんとは「活発な元気者」という五島の方言「ばらか」が由来と言われています。

「上半分は鬼に噛みつかれても正面から立ち向かう武者の後ろ姿で、全てのばらもん凧に共通した絵柄です。
下の絵は作り手によってさまざまで、いわば腕の見せどころ。」そう教えてくれたのは、五島ばらもん凧揚げ振興会の田端久世さん。
骨組みに使われる孟宗竹は採ってきてから火であぶり約2年かけて乾燥させ、竹を削って調整しながら左右対称に組みあげていきます。そして大きさに応じて和紙や布を張り着色。最後に凧を揚げるための根糸と、弓のような形の「うなり」を上部に取り付けて完成。この「うなり」がばらもん凧の大きな特長。空に揚げると風を受けて弦が「ビューン、ビューン」と独特の音を鳴り響かせます。

5月の節句には大きな大会が開催されるそう。色鮮やかなばらもん凧が大空を舞う姿、一度見てみたいですね。
                 (ダスキン:喜びのタネまき新聞より)