■小坂井(こざかい)の風車  (五穀豊穣を願う美しき風車)
愛知県の東部に位置し東三河地方。
なかでも豊川市小坂井町には、風にまつわる逸話がいくつも残っていて
毎年4月に行われる「菟足神社の風祭り」が有名。
風祭りの歴史は古く、平安時代に書かれた今昔物語にも記録が残っているほど。今もお祭りでは作物を台風や強風などから守るための神事が行われ、多くの見物客が訪れます。 お祭りの舞台となる神社でひときわ目をひくのが門前に並ぶ「小坂井の風車」です。
色鮮やかな風車は、江戸時代後期に農民たちが、土産品として作ったのが始まりと言われており、魔除けとして戸口に飾るのが習わしとして受け継がれています。 カラフルな色合いで「黄色の羽根は、米俵。羽根が6枚あるのは、一反の田んぼから6俵のお米がとれるほどの豊作と、六俵=無病  の願いが込められています」風車作り名人の加藤英郎さん談。
裏側で羽を留める小さな筒には小豆が入っていて風が吹いて羽が回るとカラカラと音がなります。「これは打ち出の小槌を表していてお金がよく回るように」という意味があるそうです。
古くから風と共に生きる町で、作られ続けている風車。
今日も優しい風が吹くと、町のどこからかカラカラと心地よい音色が鳴り響いてきます。
可愛らしい風車と風情のある音に浸ってみたいものです。  ダスキン「喜びのタネまき」新聞より