■巷説百物語(こうせつひゃくものがたり)

  
  怪異譚を蒐集するため諸国を巡る戯作者志望の青年・山岡百介が、
  御行姿の男、垢抜けた女、初老の商人ら不思議な者たちと出会い
  その裏世界に足を踏み入れてゆく・・・。
  闇に葬られる事件の決着を金で請け負う御行一味。
  小豆洗い、舞首、柳女 ― 彼らが操るあやかしの姿は、
  人間の深き業への裁きか、弔いか―。
  世の理と、人の情がやるせない、妖怪時代小説。
  
  私が最近読んで面白かった本をご紹介したいと思います。
 『巷説百物語(こうせつひゃくものがたり)』という、妖怪時代小説です。
  はじめは、時代劇に出てくる江戸っ子の口語調で、少し読みづらいと思いましたが、
 慣れてくると、その会話のテンポの良さに引き込まれていって、
 まるでテレビ時代劇(例えば、必殺仕事人とか大江戸捜査網など(古い!))を見ているかのように、
 頭の中で丁髷(ちょんまげ)のお侍や商人たちが生きいきと語り出すような不思議な感覚を覚えました。
  著者の京極夏彦氏が『後巷説百物語(のちのこうせつひゃくものがたり)』で
 第130回直木賞を受賞したのは皆さんもご存知だと思いますが、
 私はまだ読んでいませんので是非今度読んでみたいと思っています。
  お仕事で疲れたとき、気分転換に読んでみてはいかがでしょうか。