■ 貿易扇(ぼうえきせん)

  連日の猛暑日ぐったりしてしまいますね!
 エアコン.扇風機等涼しくなる為の文明の利器は色々ありますが、近年省エネ、
 地球にやさしいということで、昔から使っていた扇子や団扇も大いに活躍し、
 見直されているのではないでしょうか?
  今回は、海外からの発注書をもとに、京職人が手掛けた「貿易扇」を御紹介いたし
 ます。ゴージャス、ユニーク、可愛らしいなどいろんな絵柄を楽しんで暑さを吹き飛ばして
 ください。
 平安時代初期に、京都で発明されたとされる扇子。当時扇子は、日本の庶民が手にする
機会はそれほどなかったが、ヨーロッパでは早くから装身具として定着していた。
 ヨーロッパからの発注書に記されていたのは、今迄見た事のないロココ調や大胆な配色
素材使いなど、京職人達を驚かせるようなものばかり。初めて出会う異国文化にとまどい
つつも、絵を書く扇面師や扇骨を作る人などが、自分達の創意工夫を盛り込みながら、
繊細かつ華やかな「貿易扇」として作り上げていった。幕末から昭和初期にかけて、年間
最大で1100万本も輸出されていたそうです。
 現在、京都嵯峨芸術大学で貴重な資料として保存さています。
 
 ● 宮脇賣扇庵 
 宮脇賣扇庵(みやわきばいせんあん)は180年間に渡って扇子を扱ってきた京の老舗です。
 内ポケットなどに納めて持ち運び必要な時にすっと開いてあおぐ。上品で使いやすい扇子や
 扇子型の葉書など色々あるようです。機会があれば行ってみたいものですね。
 きっと涼しくなることでしょう。
 住 所 : 京都市中京区六角通富小路大黒町80番地3
 電 話 :075-221-0181
 営業時間 : 9:00〜19:00(10月〜4月までは18時まで)

                                                −月刊茶の間参照ー