■千本釈迦堂(大報恩寺)のおかめ節分会

  旧暦の大晦日に当たるのが節分。
 京都の街では、神社、仏閣ごとに個性ゆたかな節分会をみることができる。大報恩寺では、
 おかめが鬼を教え諭すという珍しい狂言がおこなわれる。
 これは、暴れ回る鬼たちにむけ年男たちが「鬼は外、鬼は外」と勢いよく豆をぶつける、
 鬼もたまらず逃げ出すが、豆がだんだん少なくなると鬼たちも再び勢いを取り戻してくる。
 困った年男たちの前に現れるのが、ふくよかな顔をした「おかめ」。穏やかな微笑みで鬼の
 怒りをおさめ優しく教え諭し、ついに鬼を改心させる。
 改心した鬼は手にもっていた打出の小槌をおかめに差し出し、舞いを披露し去って行く
 という狂言だそうです。おもしろそうですね!2月3日午後3時より大報恩寺で行われます。
 「おかめ」とは千本釈迦堂を造営した棟梁長井高次の妻の名前で、夫の名声を守る為に
 この本堂の棟上げ式を目の前にして自害してしまう。本堂の前にはおかめの供養塔と
 おかめ像がある。
 ふくよかな愛嬌のある「おかめ」の顔には5つの教えがあるそうです。

 ・前に突き出している広い額
  上を見るという行為は奢り昂りの表れであると考えて突き出した額が目に入る度に
  自分の傲慢さを反省しなさい
 ・目尻と眉毛がたれ下がっている。
  「いつも笑顔を絶やさないように
 ・と・ふっくらした両頬と間にはさまれた低い鼻
  右の頬は父親を、左の頬は母親を表し人間だれしも父と母から生まれた、さらに鼻を
  自分自身に見立てその鼻が頬よりひくいことから、両親よりも高くならない、両親を
  大切にしなさい。
 ・小さな口
  人間誰しもつい心ないことを口にして他人をきずつけてしまうが、相手をおもいやる心を
  忘れてはいけない。


  皆がこのような古くから伝わるおかめの教えを折にふれて思い出し実践し、美しい国になりたいものです。
 新年から「おかめ」さんの興味ある話しにふれてあらためておかめのお面を見つめてしまいました。
                                 (月刊茶の間/京の節分と節分豆より抜粋)