■地域診断士研究会の変化・成長・発展D
<さいごに>
 熊本県では、2011年の新幹線開通に連動した駅前開発が急ピッチで進んでいる。熊本駅前開発地域は、熊本を印象付ける重要な場所であり、九州新幹線全線開業までに副都心にふさわしい都市機能の充実と魅力ある都市景観の形成が目論まれている。このため新幹線開業までの事業完了を目指し再開発事業が進められているが、この中の目玉の一つとして、熊本市駅ビルの中に情報交流施設が具体化しつつある。
 この情報交流施設は「人、情報、文化が交流し、豊かさと活力を生み出す『情報交流拠点』」を基本コンセプトに、「訪れる人の好奇心をくすぐる『知の拠点』」として、幅広い分野の情報提供や九州・熊本の魅力の発信を行うとともに、訪れる人が集い賑わう交流の場となる施設にしたいと考えているとのこと。当施設内にはビジネス支援図書館やビジネス支援機能が盛り込まれることになっており、現在、全体の具体施策化が行われているところである。



 
 今からの熊本県の経済振興に、熊本市が大きな変化を引き起こす可能性要素として、@熊本市が政令指定都市化(平成22年4月予定)、A駅前開発による副都心化(平成23年4月予定)、B駅前ビルの魅力ある情報交流施設づくり(平成23年10月予定)の3つがある。
 その中の情報交流施設については、1階にはテナントが入居、2階が郷土・観光情報センター、3・4階がビジネス支援図書館、特に4階にはビジネス支援センターが併設されることになっている。5・6階には500人収容の多目的ホールと会議室4室が設置されることになっている。
 非常に異色な組合わせの新設複合機能であり、今までのしがらみに縛られない新たな地域経済活性化施策の構築が可能な、滅多にないチャンスを迎えている。この新たな動きの中で、情報交流施設に対して、我々がこの4年間で培ってきた多面的なスキル・ノウハウを活かせたら最大の喜びである。
 
 研究会メンバーの変化・成長・発展に合わせて、今からの地域診断士研究会のあり方の検討も始まっている。今後も、従来の診断協会熊本県支部の1研究会として活動していくのか、将来の地域シンクタンクを目指して、法人かも含めて、新たな活動にチャレンジしていくのかを、今年初めからみんなで検討を始めているところである。
 地域診断士研究会は、時代の変化への対応を含めて、「これからの地域に必要な診断士活動の研究と実践」を趣旨として活動を始めたわけだが、活動の幅も広げながら、間違いなく変化・成長・発展をしてきている。このことは私の脱サラ後の活動の集大成というかライフワークが、私と無関係に継続されていく礎ができたことにも繋がり、長期的には、私の手を完全に離れて、熊本に必要とされる社会貢献集団として、活動していくことを期待したい。
 
 なお、11月5日(木)に開催される平成21年度「中小企業経営診断シンポジウム」において、支部研究会報告として「ビジネス支援図書館の推進活動の研究と実践」というテーマで、坂本代表が発表することになったことも、合わせてお伝えしておきたい。