■ ビジネス支援図書館での起業・経営相談会

  ビジネス支援図書館推進協議会の竹内電通大客員教授などの支援を受け、熊本県立図書館は
 平成17年2月にビジネス情報コーナーを設置して、日本全国の県立図書館としては10番目の
 ビジネス支援図書館(ビジネス支援図書館推進協議会の調査)となった。
 その後は、お金をかけないビジネス情報コーナーの充実を図ってきたが、今回、熊本県立図書館の
 新企画として、地域診断士研究会との共催で中小企業診断士による起業・経営相談会がこの5月から
 始めることとなったので、少し経緯も含めてお伝えしたい。
 ( → http://www.library.pref.kumamoto.jp/ )
  昨年3月より活動を開始した「地域診断士研究会」という中小企業診断士の集団がある。
 将来独立を考えている企業勤めの診断士と、独立間もない診断士の「志を高める勉強会」
 で、今年も継続して研究会活動を行うことにしている。昨年後半の研究会の場でビジネス
 支援図書館に関する話をした際に、地域診断士研究会の有志6名で「県立図書館と連携し、
 ビジネス支援図書館での起業・経営相談会をボランティアで行なう」ことにチャレンジを
 することになった。
 それを受けて、早速、今年の初めに私のほうで県立図書館に出向き、村山館長にお会いして「起業・経営
 相談会の共催」の提案を行った結果、館長には非常に興味を持っていただいた。それを受けて、熊本県立
 図書館と地域診断士研究会との前向きの共同検討が始まり、試行錯誤の議論も交わしながら相互理解が
 深まり、いよいよ5月の連休明けにキックオフすることとなった次第である。
  先ず今年の5月から来年の3月まで、県立図書館と地域診断士研究会の共催で、
 月2回(第2、第4日曜日)に相談員2名体制で起業・経営相談会を行なっていき、その後
 も1年延長方式で進めていくことになる。
 村山館長からも、県や市はじめ商工関連機関への事前根回しをしていただき、賛同を
 得ており、おかげで熊本県立図書館も、県の商工行政連携機関の一員に掲載される
 ようになりそうであり、非常に喜ばしい方向に進んでいる。
 −具体的には、5月6日(日)にキックオフ講演会を行なうことからスタートする−
 ●13:30〜15:00 講演「図書館と起業・経営相談」
               中小企業診断士 横山耕二(オフィスチェイカス代表)
 ●15:00〜17:00 地域診断士研究会メンバーによる相談会
 ●場 所  県立図書館3階 大研修室
    
  図書館は、土・日・祭日に対応できる数少ない公共機関で、「ビジネス支援の場」に最も相応しい場所で
 あることを、商工行政も認識を高めて欲しいと思っている。
 今回、各支援機関が「図書館をビジネス支援の場として使える」ことを認識してもらえた。次のステップで、
 「支援機関のサービスは『自分都合』だけで、土・日・祭日を無関係にしておいていいのだろうか?」と、
 当事者意識を持つタイミングがいつかくると思っている。「商工行政サービスは、土・日・祭日はないのが
 当たり前」は全く自分都合の論理で、顧客軽視の論理になると考えている。
 ビジネス支援機関にとっても、自機関をアピールできる機会になるわけであり、将来的には財団や、商工
 会議所、国金等からも、図書館での相談会やイベントが設けられ、「土・日・夜間のユーザーサービス」が
 充実することを期待している。
  また、今回の地域診断士研究会メンバーによる「ビジネス支援図書館での起業・
 経営相談会」の企画、提案、図書館との検討・打合せ、そして実現という、「ない
 ものをつくる」一連の経験を体験することで、研究会メンバーの企画・実践推進力も
 高まることができたと考える。また企業内診断士の重要課題でもある「診断実務の
 点数取得」も解決できることにも繋がり、図書館とのWIN−WINの関係づくりが
 できたことは、私にとって最大の喜びである。
  「敷居の低い図書館での起業・経営相談」をきっかけにして、「ビジネスへの図書館活用の推進」と
 「ビジネス支援機関とのリンク」を推進できるように、県立図書館と地域診断士研究会・有志で、一体と
 なり当相談会を育て上げていきたいと考えている。