■JANBO・上海BI事情視察団@

 3月15〜18日にかけて、「JANBO・上海ビジネス・インキュベーション事情視察団」として中国上海に海外出張をした。メンバーはJANBOの梶川事務局長代理を団長に、上海視察の仕掛け人である島屋ビジネスインキュベータの農本所長をはじめ、総勢14名での視察団となった。
以前より中国の上海と万里の長城には是非行ってみたいと考えていたので、いい機会であった。視察の日程表は、以下のとおりである。
日数 日付 曜日 発着地 時間 交通機関 摘   要
1 3/15 福岡発
上海着
10:00
  10:35
MU532

専用車




中国東方航空便にて上海へ

 着後:成田・大阪・福岡班合流。

 * 上海浦菜科人力資源有限公司(PRECC)
 * JETRO上海訪問 
 ホテルチェックイン
 * PRECCとの交流会 
                         (サルボ ホテル 上海 泊)
2 3/16 上海   専用車  ホテル 出発

 * 上海テクノロジー・イノベーション・センター(STIC)、上海インターナショナル・ビジネス・インキュベータ(SIBI)
 <昼食>
 * 上海交通大学、上海交通大学サイエンスパーク(科学技術園区)視察
 * 上海ビジネス・インキュベーション協会との交流会
                         (サルボ ホテル 上海 泊)
3 3/17      専用車





ホテル 出発 

 * 復旦大学、復旦大学科学技術園区(サイエンス・テクノロジー・パーク)、ヤン浦創業中心(Shanghai Yangpu Science & Technology Venture Center)
 <昼食>
 上海経済開発区等視察(浦東地区)
                          (サルボ ホテル 上海 泊)
4 3/18

上海発
 福岡着


18:00
20:30
各自移動
 
MU531
 出発まで自由視察
(上海博物館→新天地→豫園見学)



先ずは、最近の上海事情に関して、聞いたことや感じたことを書いてみる。
中国ではインフレ(都市周辺や奥地)とデフレ(都市)が同時進行している。現在は産品の供給が需要を上回るようになったこともあり、コスト競争が激しく、作っても利益が出ないデフレ環境(2割が赤字に転落)となっている。一方、地方では土地収用やインフレによる生活苦のために農民暴動が年間3000〜4000件発生しているようである。またエネルギー価格の高騰や水不足も深刻になりつつあり、人も集めにくくなっている面も目立ち始めている。
上海市の人口は、公称1342万人だが、戸籍なしが600万人いると想定されており、実質人口は1900万人を超えている世界第2の都市である。日本企業は上海市に5500社で日本人が4万人おり、ジェトロ上海の担当区域だけでも15000社で日本人が8万人働いている。

<上海老街>

マンション群(金茂大厦より )

どこまで行ってもビルと高級マンションが林立している上に、至る所で古い建物が壊され、新しいビルやマンションが続々と建築途中であり、驚くばかりである。
同じ上海市内でも外資系の企業に勤めているマネージャーは日本円換算で月収100万円の人もたくさんいる一方で、周辺の農村部の人は年間2〜3万円で生活しているそうである。大多数の貧民と一部の金持ちで成り立っている都市で、そのギャップの大きさにはただ驚くばかりである。

新天地(最先端の町)の高級レストランで食事をしたメンバーは一人700元を支払った人もおり、ツアーでのレストランでは一人150〜200元くらいであったが、現地の普通のレストランでは60元で済み、その安さにびっくりした。多分、屋台のようなところでは10元くらいではないかと想定される。世界の最先端の世界と、低開発国の世界が、同じ上海市の中に混在している事実には、相当の歪が内在していることを感じざるを得ない。

和平飯店(1906年建設)

新天地にて

共産主義一党独裁の世界でありながら、資本主義経済を取り入れて国が運営されているわけであるが、この莫大な人口を抱え、広大な国土の中で、短期間での急激な成長を遂げていることに、その歪の根深さを感じた。「アメリカの経済成長→日本の経済成長→台湾・韓国の経済成長→中国の経済成長」と、時代が進んでいくに連れて、成長カーブの急峻性が増してきており、多分、中国では近いうちに歪エネルギーによるリバウンド現象が起こるのではないかと危惧している。