■IMインストラクターとしての沖縄訪問
  
   私はIM(インキュベーション・マネジャー)インストラクターをしているが、
  IM養成研修の中で研修者の現地指導が組み込まれており、
  一昨年から東京、長崎、宮崎、広島、沖縄、函館、荒尾、大阪など、
  北は北海道から南は沖縄まで訪問している。
  現地指導の目的は、「IM養成研修生がどのような業務環境やスタンスで、
  企業支援しているかを把握するとともに、1日同行する中での相談助言や意見交換を行う。
  特に支援企業に同行することで支援実態を把握・サポートを行う。」ということである。
  私自身としては、常日頃なかなかいけないところに行く機会をいただけるので、
  その地域にある「存在価値のある連携機関」も組み込んでもらうことも必ずお願いすることにしている。

   今年になって初めての現地指導で沖縄を訪問したので、そのことに関して述べてみる。
  沖縄県産業振興公社には、IM養成研修卒業生が産業振興課・玉城課長を筆頭に10名活動しており
  また同じフロアにインキュベータがあり、非常に恵まれた状況にあるといえる。
  公社におけるIMの配置状況は、経営支援部2名、産業振興部4名、融資課3名、那覇IT創造館1名
  となっている。企業支援に直接タッチするメンバーの多数がIM養成研修を受講しておくことで、
  人事異動に左右されることなく企業支援が強化されるとの考えであるように感じた。

   公社幹部との話で印象的だったのは、@IT立県を目指していること A物産振興に力が入っていること
  B取引対象を台湾、韓国、中国まで意識した活動をしていることなどがある。
  重点産業としては「観光、食品、環境」としているとのこと。今までの補助金行政からの脱却を図るべく、
  他県に比較すると行政内での危機感は高いように感じた。

   他の印象的だったことをいくつか紹介しておく。
  第3セクター運営の(株)トロピカルテクノセンターは、研究開発事業、情報開発事業、調査研究事業、
  施設賃貸事業を行っているが、施設賃貸事業としてレンタルラボ5室と、レンタルオフィス7室を
  有しており、「入居企業を他事業のパートナーの一部としていること」「他事業の職員が4社起業(入居
  企業は3社)を行っていること」「技術移転や事業譲渡などもやったりしていること」など、
  面白い取組みを行っていると感じた。箱物の負担が大きいので採算性は厳しいが、
  それさえなければ健全事業運営・拡大ができるとの話もあった。
   那覇市IT創造館では、ITに関する市民との交流スペースや、研修スペースを有するインキュベータを
  市が作り、それを公社が管理しており、面白いスペースと感じた。
  また、新たな試みとして「eggs+」というインキュベートショップをメイン商店街である国際どおりにつくり、
  起業家発掘スクーリング→インキュベートショップ(24店舗)→事業化までのインキュベートプログラムに
  沿った支援事業を始めていた。1期生が今丁度卒業時期に来ていることになる。