■SPH事業への参画

 今年の4月初旬に、南稜高校・吉永先生から電話をいただき、「今度、南稜高校でSPH(スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール)事業の企画申請を行っており、協力をお願いしたい。」旨の話があり、詳細は分からないまま「若者教育には興味があり、喜んで協力させてください。」との返事を行った。
JA未来塾での講師仲間の方とのご縁で、「生徒をエンカレッジする話をしてほしい」との話を受け、昨年2月に南稜高校「10代未来塾」で生徒38人を前に話をさせていただいたことがキッカケである。その時の担当の一人だった南稜高校・吉永先生から私に話がきたという経緯である。

 文科省のSPH事業は、平成26年度からスタートしたもので、「専門高校において、大学・研究機関・企業等との連携の強化等により、社会の変化や産業の動向等に対応した、高度な知識・技能を身に付け、社会の第一線で活躍できる専門的職業人を育成することを目的とした3か年事業」である。毎年10校が指定校となる受託が難しい事業で、3年間30校の中で九州では県立福岡農業高校(農業:H26年:福岡)、私立昭和学園高校(看護:H27年:大分)に次いで、3校目である。
こんな難しい事業に、熊本の球磨郡にある南稜高校が応募したことに、先生方のやる気と生徒への思いを感じた次第である。
できれば、今までの学校教育と異なる視点からのアイデアを盛り込んだ新たな学校教育の先駆けづくりに協力できれば嬉しい限りである。

 私は、「運営指導委員会」と「南稜高校」の間に位置して、研究担当の先生方に対する「研究推進への効果的な指導及び助言」を行う「研究推進委員会」の委員として委嘱されている。当初は研究15項目の全てへの指導・助言という話であったが、全研究を把握することが難しく、なかなか機能できないことの相互理解のもと、テーマ①「地域農業の課題探求型学習による知識・技術の習得及び郷土愛の情勢」(南稜就農塾)とテーマ⑥「6次産業化人材の育成とモデルケースの構築」(園芸科学課)に注力する方向になっている。

今まで、文科省の指定書発行が遅れたこともあり、事業発足前(6月)に研究推進委員会が開催されて、その後4回の計5回開催されている。
今年は初年度ということもあり、既にまとめの段階に入ってきているが、報告を聞いていると15テーマでのバラツキはあるものの、先生方の試行錯誤や努力の跡が感じられる。また、新たに知ることも多く、高校教育の現状について多面的に知ることで非常に勉強になっている。 
 

 南稜高校は球磨郡あさぎり町にあるが、球磨郡の中でも町民が地域愛を強く持っているようで、人口減少率は低いほうで、地元に戻ってくる若者も多いようである。
先生方から聞く話でも、都市部の若者に比べると純粋な若者が多いようで、1年生は落ち着かないが、2年生、3年生になるに従って、成長していく姿を実感するとのこと。
このような地域にある高校が地域創成の起点になる可能性への挑戦に参画できることに喜びを感じ、来年からの新たな活動を心から楽しみにしている。