■新たな創業セミナーづくり

 10月から11月にかけて、久しぶりに水俣商工会議所(4回シリーズ)と託麻商工会(5回シリーズ)の創業セミナーのシリーズ全体を担当し、つい先日、終了したばかりである。
両方のセミナー担当者の話から、頭が痛いこととして「受講生集め」と「回を追うごとに受講生が減り、最後は半数以下になる」と同じ話が出てきたので、現在の公的機関が実施する創業セミナーの共通課題だと思った次第である。過去にセミナーを分割担当したことのある私として、思い当たることがあり、対策を考えてセミナー企画をすることにした。
 両セミナーとも基本構成を同じにして、
① 「創業思い立ち」から「創業計画書作成」までのプロセスに沿ったカリキュラム編成
② 「プレ創業」から「ポスト創業」までの受講生に対応できるプログラム
③ 「双方向性」を重視したプログラム(ワンツーワン・フォロー)
④ 「多様な事例」を紹介することで受講生に多くのアイデアを提供
⑤ 最終日に「日本政策金融公庫の創業計画書」を作成演習し融資に繋げる
⑥ 「講師兼コーディネータ」として受講生に全シリーズ対応
  というような企画を行った。

  具体的なカリキュラム編成を、託麻商工会・創業セミナー(5回シリーズ)で紹介する。
  第1回 :創業に向けてGO!
  ・講師の自己紹介  ・受講生の自己紹介  ・250の創業事例から学ぶ
  ・イメージシートの紹介  ・イメージシートの演習
  第2回 :身近な創業事例と基礎知識
  ・熊本の創業事例の紹介  ・事例への質疑応答  ・創業の基礎知識
  ・創業支援機関と支援施策  ・講師との意見交換
  第3回 :創業実現に向けて
  ・企業の目的は顧客の創造  ・現状を把握する(マーケティング) 
  ・SWOT分析演習  ・クロスSWOT分析演習  ・講師との意見交換
  第4回 :発想転換と創業計画書の作り方
  ・イノベーション的発想とは  ・発想転換の企業事例の紹介  
  ・創業成功へのポイント  ・創業計画書の作り方  ・創業計画書の事例
  第5回 :創業計画書と融資について
  ・振り返り  ・創業計画書の作成演習  ・創業実態の紹介と融資への助言
  ・受講生の皆さんへ  ・修了証授与
 
 おかげさまで、水俣商工会議所は6名参加で6名修了、託麻商工会は20名参加で19名修了という結果となり、商工会の方からも「従来と異なり、受講生の目の色が違った。」「こんなに修了生が多かったのは過去になかったこと。」と高い評価をいただき、私自身も講義をしながら充実感を感じることもでき、担当して本当によかったと思った次第である。
日本政策金融公庫の熊本創業支援センター・迫田所長には、両セミナーとも最終日に協力をいただき心より感謝している。
一方で自身の反省点として、「演習時間があまり取れなかったこと」「個別指導の時間が取れなかったこと」などがある。
迫田所長から、鹿児島での創業セミナーの面白い仕組みを教えていただき、熊本で更によくしたものを実施できないか、創業セミナー・熊本モデルが実現できることを楽しみにして、今から企画・検討してみたいと考えているところである。
感謝!