■熊志共育塾1期生がキックオフ

 熊志共育塾1期生が4月23日にキックオフしました。
熊本地震の前震が4月14日夜に、本震が4月16日未明に起きたばかりということで、どうするか迷いましたが、「いまから、ここから」の気持ちを込めて実施することに決めました。そのかわり震災対応で参加できなかったメンバーには、後日、補講を実施することで、キックオフのスタートラインを合わせることにしました。
キックオフ会合には、1期生以外に村橋中小企業診断士と高口熊大特任教授(3月まで商工観光労働部長)にオブザーバー参加してもらいました。

  村橋診断士は、昨年までIT企業の取締役総務部長をしており、その前は日立製作所のエンジニアでもあり、1期生に対して最新の人事労務面やIT技術に関する刺激を提供して欲しいと、最後までオブザーバー参加してもらうようにしました。1期生と一緒に「平田耕也氏から学ぶ」相互研鑽の場でも学んでほしいと思っています。
高口熊大特任教授は、今年3月まで商工観光労働部長をしており、その時から熊志共育塾に強い興味を持っていただいています。4月から熊大に職を移し、COC+推進コーディネータ(雇用担当)特任教授になり、新たな活動を企画検討されているところのようです。震災前にメールをいただき、その後に話す機会を持ち概要説明をしたところ、「一度オブザーバーとして参加してみたい」との意向を受けて、キックオフに参加してもらいました。

  今回はキックオフということもあり、熊志共育塾の定期塾の進め方に関する話をした後、時代背景の中での平田耕也氏の生き様を把握できるように、終戦後からの社会変化の推移資料を解説しました。具体的には、戦後の日本経済史と出来事の解説、為替レートの推移、初任給の推移、人口の推移や予測などなどです。
質疑応答を終えてから、10回シリーズで学ぶことの概要や繋がりなどを説明した上で、第1回の「平田機工の概要」に関する話をしました。
この中で、平田家の家訓から始め、平田機工の経営理念、事業概要や事業変遷(時代の変化への対応「リヤカーからロボット・トータルシステムへ」)、今後の方向などについて紹介し、意見交換を行いました。
次回から平田耕也会長の遺稿「共育塾5期生の皆さんへ」(若手経営者の皆さんへ)を具体的に展開していくことになります。

 熊志共育塾に関係する出来事を2つ述べておきたいと思います。
熊志共育塾をキックオフするにあたって、今回の震災で平田機工社長秘書の牧野さんが南阿蘇で被災し亡くなったことに、大きなショックを受けました。
というのは今までも何度か触れていますが、牧野さんには、私と故平田会長と現平田社長とのインテリジェントインターフェースになってもらっていたからです。熊志共育塾を企画するキッカケとなった故平田会長の遺稿「共育塾5期生の皆さんへ」があるのも、牧野さんのおかげであるといって過言ではありません。この「共育塾5期生の皆さんへ」を受け取ったことで、次世代経営者に「平田耕也氏の生き様」をバトンタッチする「熊志共育塾」を企画し、3年がかりでキックオフすることになりました。
キックオフの写真と一緒に「平田社長/cc牧野さん」宛でメールすることにしていましたが、それが間に合わなかったことが残念です。

 それから、もう一つ大きく関係する出来事がありました。
平田機工の本社再移転という、ありがたい嬉しい話です。
「平成28年熊本地震により、弊社に何ができるかを考えた時に、弊社は熊本で生まれ、熊本で育ち、そして熊本と共に生きていきたい。そこで、本社を熊本に移し、真の熊本の企業として熊本の皆さまと共に苦難を乗り越えていきたい」「世界中からより多くの仕事を熊本に持ってきたい。それによって熊本に潤ってもらい、復興につなげていきたい。震災以降暗いニュースが続いているなか、熊本は安全なところだと訴え、そして私たちの郷土熊本のために何かしたいという思いの結果、今回の移転を決断した」と、5月12日に平田社長が発表し、6月23日の株主総会で正式決定をすることになったようです。
売上500億の上場企業なので、経済効果もいろいろ出てくると思います。