■ライフワークへのプロセスA |
前回、私の社会人としての人生で、第1の転機(転職)、第2の転機(脱サラ)、第3の転機(支援センターPM)について述べてきたが、今回はライフワークに繋がる第4の転機(還暦)、第5の転機(大病)を述べていくこととする。 |
中小企業支援センターPM、そしてリージョンIMの時に、九州経済産業局の方から「新連携」のモデル事業への参加要請を受け、民間から3人が参加した。丁度、還暦を迎える1年前だった。その時に知りあったのが星アソシエイツの星崎さん(元三井物産九州支社長)で、いいご縁を得ることができ星崎さんからは大きな影響を受けた。モデル事業に次ぎ翌年度から新連携PMとして、還暦を迎えた年から4年間活動を行った。はじめの頃だったと思うが星崎さんとの雑談の中で、「還暦を迎えたら、次世代人材を育てることが我々の役割」との話を聞いたことが心の片隅に残った。 企業・起業支援の全国的活動をしながら経験を深めていく中で、第4の転機である還暦を迎えるに当たり、星崎さんとの話が想起され考えたことがある。 それは、いい時代を生きてきた我々(団塊の世代以前の日本人)は、次世代を担う若手経営者の育成支援や、その地域企業活性化のインフラ構築に貢献する役割を担う使命を持つべきだということである。 |
星崎氏 |
大きくは「次世代経営者の育成」と「次世代経営支援人材の育成」の2つを目指す方向で、「相互研鑽の場」を作ることにした。 先ず、「次世代経営者の育成」を行うための「相互研鑽の場づくり」についてだが、「思い立ったが吉日」と考え、理念やカリキュラム作成から塾生集めまで100%手づくりで、2007年1月から相互研鑽の場「少数精鋭・共育塾」を始めることができた。 そしていつの間にか10年経ち、若手経営者塾である少数精鋭・共育塾も、4月に9期生がキックオフするところである。今から6年前に難病で半年間入院し、1年間休んだことがあるので、現在は10期生でなく9期生である。 http://homepage3.nifty.com/chieikasu/rinji-2-08.html その間で46社61人の共育ネットワークも動いており、県起業家支援センターの出資を受けた企業が5社、出資に向けての2火会発表企業が他に2社あるネットワーク集団である。 |
共育塾を継続運営していく中で、継続的に改善を行って仕組みづくりができたこともあり、私がリタイヤしても継続されるように、5期生の時から副塾頭を置き、7期生から奈須さんに塾頭交代をした。現在、私はメンターとして、一部講義と毎回のプラスワン講座を行うようにしており、奈須塾頭主導で移行継続しており、できれば塾頭交代を繰り返しながら長く継続していって欲しいと考えている。 |
そして今回、熊志共育塾を始めることにしたわけだが、伏線として「大病後に社会復帰できたこと」「入院中のテレビで東大名誉教授・多田富雄氏の衝撃的生き様に触れたこと」などがあり、これが私の第5の転機である。 共育塾に共感・協力をいただいた平田耕也氏が共育塾5期生の時に急逝され、亡くなられる4日前に思考し作成された絶筆「5期生の皆さんへ」という若手経営者へのメッセージを、結果的に私が預かった。私はこの事実を「熊本の次世代経営者に、このメッセージを伝えてほしい」と平田耕也氏から託されたように感じて、当塾を企画することとした。http://homepage3.nifty.com/chieikasu/yuushi/yuushi-shoukai.pdf |
今、情報革命等によるパラダイムシフト(従来の仕組や価値観の劇的変化)が始まっており、世界も日本も、そして熊本も大きな社会変革期を迎えつつある。このような時代に必要なのは、「ないものを創る能力」であると考えており、敗戦の焼け野が原から、立ち上げた経験を有する「世界発信をしている企業をゼロから創った地元出身の起業家」から学ぶ(擬似経験する)ことは大切だと思っている。 |
最後に、「次世代経営支援人材の育成」を行うための「相互研鑽の場づくり」について、簡単に纏めておく。 *前回に触れたように、地域診断士研究会を2006年に立ち上げた。 http://homepage3.nifty.com/chieikasu/yuushi/yuushi-sindansikenkyu.pdf *九州経済産業局の親しい方から、「九州の士業連携の場」をつくるので、熊本の発起人になってほしい旨の話があり、「九州志士の会」のキックオフに参加し理事を務めていたが、その流れの中で、九州志士の会・熊本支部を立ち上げることにした。 http://homepage3.nifty.com/chieikasu/yuushi/yuushi-kyushusisi.pdf |
*この異業種連携の場づくり活動の中で、最も感じたのが「コーディネート人材の不足」である。熊本支部の各種士業人材の有志による「コーディネート人材を育成する場」として「士業信金研究会(士信研)」を立ち上げると共に、半年遅れで若手の中小企業診断士の集団「企業支援力向上研究会(向上研)」を立ち上げたところである。 http://homepage3.nifty.com/chieikasu/yuushi/yuushi-sigyorenkei.pdf ここまでが、私が次世代の地域に残せるものの「種蒔き」であり、長期的に必要とされれば継続発展するだろうし、そうでなければ消滅することになる。 次世代の熊本経済発展のために、何とか継続発展することを祈念したい。 |