■ 時代の変化への対応
 
 世界情勢として、アメリカの弱体化、ウクライナ問題、パレスチナ問題、日本対中・韓問題、宗教・民族問題、貧富の格差問題等、世界的に従来の仕組みが機能不全に陥り、激変の時代に遭遇している。一方で、情報革命等によるパラダイムシフト(従来の仕組や価値観の劇的変化)が始まっており、世界も日本も、そして熊本も大きな社会変革期を迎えつつある。
そのような時代の変化が激しい中で、あらゆる業種/業界での激変の顕在化も始まっており、「時代の変化への対応」の重要性は増すばかりである。
そこで最近、私の頭に浮かんでくる「多様な切り口で語られてきた言葉」を通して、「時代の変化への対応」の重要性を再認識したいと思う。

@ 方丈記 :鴨長明
書き出しの文章は学校時代に学んで記憶にも残っている。
それを原文のまま記載する。
ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。

A 進化論 :ダーウィン

学校時代に生物の授業で学んだ印象深い記憶がある。
この言葉を分かりやすくした表現で、下記のように語った著名人がいる。
この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ。

B創造的破壊(イノベーション) :シュンペータ
市場経済はイノベーションによって不断に変化している。そしてイノベーションがなければ、市場経済は均衡状態に陥っていき、企業者利潤は消滅し、利子はゼロになる。従って、企業者は、創造的破壊を起こし続けなければ、生き残ることができない。
機械時計からクウォーツ時計などがイノベーションの一例であるが、時計に対する価値観が一変した。創造的破壊のみが社会の発展を促す。

C現代経営者の言葉@ :富士フィルムの古森会長
21世紀に入り、いろいろな条件が大きく変化する時代になった。優良企業だって変化に晒された時に対応できなければ衰え、やがて滅びていく。先ずは変化に対応できなければ、いい企業とはいえない。しかし、変化に対応するだけなら受身の姿勢だ。変化を予測し、先取りする。あるいは変化を創り出せればさらにいい。
富士フィルム(変化/成長/発展)とコダック(衰退)の対比を採り上げた比較論も、ウェブ上でよく見かける。

D現代の経営者A :セブン&アイの鈴木会長
時代は変わるものだ。変化に対応して自分たちも変わっていかなければ倒れてしまう。変わるのだから、過去と同じ考え方、同じ手法で通すことはできない。企業の寿命は30年というのもおかしな話だ。30年経てば衰退していく企業は、世の中の変化に対応できていないからだろう。時代が変われば同じ手法ではダメであり、過去の成功体験は失敗のもとになる。
今はオムニチャネル化。仮説検証。
常に先をゆく絶対王者を創り上げてきたことに凄みを感じる。

E現代の経営者B :セイコーマートの赤尾会長 
続けるということは、今までと同じでは続かない。しかし、次に何が来るかはわからない。次を予測しながら、いくつも手を持って、どっちの方に動いているかをキャッチしながら、商売はどっちの方向に進んでいくかを見極めながら、やらなければならない。セブンと同じことをしたら負けるので、同じことはやらない。コンビニが本当に飽和状態になったらコンビニとは別の新しい何かが市場に登場するだろう。
セブンイレブンよりも3年早くコンビニを立ち上げ、北海道地域ではナンバーワンのコンビニをつくり上げた。「セブンと同じことをやれば負ける」と新たな戦略を目指している。この先見性に凄さを感じる。

一つ一つが含蓄のある言葉であり、下手な解説を入れる意味もなく、各人それぞれの解釈をして、自社の経営、自分の人生に活かして欲しいと考えている。