■Web2.0についてB コンテンツ間、ユーザー間の相互連携加速 |
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次にコンテンツの連携に着目してみたい。 従来はページ同士のリンクにとどまっていた ことが、Web2.0では記事単位や機能の リンクが可能になり、より密度の高いコンテ ンツ同士の連携が実現された。 ユーザー同士の連携はどうだろうか? 従来のWebではユーザー同士の情報共有 手段はEmailやBBSが主であり、個々の情報は 点在しユーザー同士のつながりは見えにくか った。 Web2.0では情報共有手段としてブログやSNSを 利用するユーザーが急増している。 トラックバックによる相互リンクやSNSでのコミュ ニティ形成により、同じ趣向を共有する者同士で より密度の高い情報共有が可能になった。 |
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ここまででWeb2.0の考え方を示し、Webビジネスの構造変化とWebを取り巻く環境の変化について 整理した。これらを踏まえて、これからのWebビジネスの心得をいくつか挙げてみたい。 @ユーザー主導型のプラットフォームを取り込む :Webを通じてユーザーにどのような情報を発信するか という主導権が従来は情報発信企業側にあったのに対し、Web2.0ではユーザー側である程度コントロ ールできるようになってきた。 A口コミ情報を最大限に利用する :口コミ情報(図表1-4のコアデータ)は競合他社が簡単にコピーできる ものではないため、このコアデータを持つ者がWeb2.0ビジネスでは有利になる。なぜコアデータを持つ ことがビジネスにおいて有利になるかというと、 *コアデータが増えることで自社サイトの情報量が増え、サイトの利用価値が高まる。 *コアデータを解析することでユーザーのさまざまな動向を抽出し、マーケティングに 生かせる。 *コアデータを加工し活用することで、新たな付加価値を生み出せる。 といったことが期待できるからだ。 Bロングテール・ビジネスは規模の獲得(アクセス数)とターゲットの設定(顧客)が必要:ロングテール・ ビジネスの肝は小さな売り上げを積み重ねることであるため、ロングテール・ビジネスから大きな売り 上げを得るためには、一定以上のシェアや規模(アクセス数)がないと商売が成り立たない。 またロングテールの横軸を考えるということは、ビジネスのターゲットとする顧客を考えるということである。 横軸が商品ラインアップなのか、情報の多様性なのかといったことは事業者によって違う。 C自動配信する情報の中身とターゲット(配信先)を設定する。 Dマッシュアップするのか、されるのかを考える。 |
自らマッシュアップする側になって新しいWebサイトを構築する場合と、逆にWebAPIやRSS/ATOMフィー ドを公開することでマッシュアップされる側になる場合で、自社にどのようなメリット・デメリットがあるか 考察する必要があるだろう。前者の場合は異業種間のアライアンスを可能にするかもしれないし、後者の 場合は商売を展開する場が自サイトだけではなく無数の他サイトやRSS/ATOMリーダーにも広がっていく。 逆に過度にほかへ依存し過ぎることは、サービスの可用性や信頼性の面でリスクを伴うだろう。 このように実世界のビジネスではあり得なかったことがWebビジネスの世界では起こり得る。これらを 理解したうえでビジネスの構造を構築することがWeb2.0時代に最適化された企業の条件である。 以上、前編ではWebビジネスの構造変化およびWebを取り巻く環境の変化を整理することで、Web2.0の 全体像を示した。 この後に後編が続くようであるが、興味のある方は別途、確認願いたい。 |